任意後見契約公正証書の作り方

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任意後見契約とはどんな契約なのか

高齢ですでに現役を引退しているHは、自分の死後の財産についてはすでに公正証書遺言を作成して いますが、最近、物忘れが激しくなってきていることに気づきました。自分が精神的に思慮分別を失 ったときのことを考えると、療養看護や財産管理のことが無性に心配になってきました。民法では成 年後見制度がありますが、自分のことは自分で今から決めておきたいという思いがあります。そんな とき、Hは、任意後見契約という制度があることを知りました。

高齢化社会の到来にともない、自分の老後の療養看護・財産管理を心配する人が増えてきました。民 法では成年後見制度が設けられていますが、それは本人の判断能力がなくなってから、後見人を決め るというものです。自分の意思がはっきりしているうちに、自分のことを自分で決めておきたいとい う人も多いはずです。そこで、「任意後見契約に関する法律」が制定され、任意後見契約の制度が設 けられました。それによると、任意後見契約とは、「委任者が、受任者に対し、精神上の障害により 判断能力が不十分な状況における自己の生活、療養監護と財産管理に関する事務の全部または一部を 委託し、その委託にかかる事務について代理権を付与する任意契約であって、家庭裁判所より任意後 見監督人が選任された時からその効力を生ずる旨の定めのあるもの]とされています。自分の判断能 力があるうちに、契約によって、療養看護や財産管理について代理権のある後見人を選任し、契約を 締結しておくということなのです。この契約の相手方は個人だけではなく、会社などの法人でもかま いません。なお、任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書によってしなければなりません 。本人の判断能力が失われてからのことを扱うので、手続は厳格となっているのです。

任意後見契約の公正証書作成の際の注意点

任意後見契約について、公正証書の作成を嘱託する場合には、以下の点に留意してください。

①必要な書類を準備する

公正証書には、本人の本籍・生年月日を記載することになっています。そのため、本人の戸籍抄本と 住民票の写しを用意しておきます。また、任意後見を受託する者にっいても、住民票が必要になりま す。もし、受託者が法人の場合には、登記簿抄本を準備してください。

②代理権を与える範囲を特定する

後見人に与える代理権は、対象となる法律行為を特定しておきます。

③公証人と面接する

任意後見契約を結ぼうとする人は、すでに判断能力に衰えがある可能性がありますので、契約を締結 した時点で本人に判断能力があり、真意に基づいているかどうかを確認しておく必要があります。そ こで、作成を嘱託するときには、公証人と本人が面接することが義務づけられています。これは代理 人によって嘱託する場合でも、同様です。もし、本人が入院中であったり、自宅から出られない場合 には、公証人に出張してもらいます。

④手数料

手数料は、11、000円です。公証人が出張した場合には、出張旅費がさらに必要になります。