離婚についての公正証書の作り方

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離婚のときの合意事項は書面にしておくこと

Cは親の反対を押し切ってKと結婚し、子供も2人産みましたが、夫のKがスナックで知り合った女性Tと不倫の関係となってしまいました。いろいろと悩んだあげく、CとKは離婚することになりました。CとKには、協力して経営してきた商店があります。この商店は、土地も建物もK名義です。また、2人の子供はまだ未成年です。Cは離婚後の生活を考えて、これから財産関係を清算しなければなりません。

いうまでもなく、離婚はそれまで法律的に夫婦関係であった男女が、その関係を解消することです。手続としては、離婚届を作成して、市区町村役場に提出すれば、それで離婚は成立します。もっとも、当事者の話し合いで離婚が決まらなければ、家庭裁判所での調停、それでも決まらなければ裁判で離婚することになります。離婚自体の手続はこのようなものですが、離婚には財産関係の清算がつきまといます。これまで夫婦が協力して築いてきた財産をどうすべきか、離婚の原因を作った方の責任をどうすべきか、未成年の子供がいる場合に親権者をどちらにするか、養育費はどちらがどれだけ負担するべきか…。離婚それ自体には同意ができていても、これらのことで合意ができず、離婚に至るまでの時間が長引いてしまう夫婦は非常に多いようです。また、離婚のときにこれらの問題について合意ができても、後日、財産分与、慰謝料、養育費などヶ-スにあわせて効果的に活用する支払いが滞るというトラブルも、実は頻繁に生じているのです。特に子供の養育費については、何年か経過するうちに、支払われなくなってしまうケースが非常に多いようです。離婚後の第2の人生、そして子供の福祉のためにも、合意の内容は公正証書として確実に残しておくべきでしょう。

公正証書作成の際に注意する点

離婚についてやりとりされる金銭は、財産分与、慰謝料、養育費がおもなものですが、公正証書を作成する際には、以下の点について十分に留意してください。

①財産分与

夫婦がそれまでに協力して築いた財産を公平に分配することです。その財産の形成にあたって、どちらがどれだけ貢献したかを実質的に考慮して決定されます。結果的にどちらの名義になっているかは、あまり重要ではありません。共稼ぎの場合は算定が簡単ですが、自営業者である場合、妻が専業主婦である場合などは算定が困難です。しかし、最近では、専業主婦でも50%の財産を分与されるケースがあります。これは、離婚後の元妻の生活救済という意味もあるようです。このケースでは、夫婦が協力して自営業をしてきたので、妻への財産分与は比較的多く認められるでしょう。不動産がある場合には、その登記簿謄本を用意しておきます。登録動産であれば、その登録証なども必要になります。

②慰謝料

離婚の原因を作った方が、相手方の受けた精神的損害に対して損害賠償として支払う金銭です。この例ではKの不倫が離婚原因となっているので、Cに慰謝料請求権が発生する典型的なケースといえます。慰謝料は離婚時に一括して支払われるのが通常ですが、後日、分割して支払われることもあります。なお、慰謝料が財産分与の金額に含まれているケースもよくあります。この場合には、そのことを明確に記載しておくべきです。あいまいにしておくと、後でトラブルの原因となる可能性があります。

③養育費

離婚後に子供と生活をともにしなくなった方(多くは親権者ではない方)が支払う金銭で、子供が成人するまでの間にかかる費用のことです。離婚時に一括して支払われることもありますが、通常は、離婚後に月々の支払を定期的に行うことで合意されています。養育費についても、財産分与に含ませて合意しているケースがあるので、その場合には、公正証書で明確にしておきましょう。

④履行されない場合に備えて

養育費などの支払については、将来にわたって分割払いとされるケースはよくあります。まず、いつからいつまでの間に、月々いくらずつ支払うべきかを明確に記載しておきます。ただ、それでも、疎遠になり、時間も経過するにつれて、支払いが滞るケースがよくあります。そのような場合に備えて、公正証書を作成しておくことは意味のあることです。金銭給付が目的ですから、強制執行認諾約款は必ずつけておくべきです。また、不動産の明渡しが予定されている場合なら、その旨を記載しておきましょう。さらに、できれば保証人(連帯保証人)、担保の設定なども要求し、それらについても記載しておくことが大切です。

⑤他に用意しておくべき書類

法律上の身分関係を変動させることなので、それ自体を証明する書類として、「戸籍謄本」を用意しておきましょう。また、合意が成立した後に正式に離婚するパターンが多いのですが、場合によっては公正証書作成後すぐに離婚ができるように離婚届も用意しておくとよいでしょう。離婚届には2人の証人が必要ですが、事前に記名・押印してもらっておきます。