将来の債権についての公正証書の作り方

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求償権は停止条件つき債権と同様に考える

健康食品や自然化粧品の製造・販売をしていた山田さんは、さらに工場・店舗を増設して事業を拡大していきました。そして、本拠地としていた大阪から、い よいよ東京にまで店舗を出す計画を立てました。銀行から融資を受けるには保証人を立てることが必要ですが、幸い、懇意にしていた財閥系信販会社が保証し てくれることになりました。万が一、山田さんが債務を返済できないときには、代わって信販会社が銀行に返済するのです。そして、その場合には、債務を返 済した信販会社は、本来返済すべきであった山田さんに対して「求償」できることになります。支払った分に利息を加えて、請求をすることになるのです。信 販会社としては、この求償権(立替払い分を請求できる権利)についてあらかじめ山田さんとの間で公正証書を作成しておくのが安全と考えました。

求償権は、将来必ず発生する債権ではありません。山田さんが銀行に返済できなくなり、代わって信販会社が返済したときになって初めて発生する債権です。 このような将来の債権について、公正証書を作成することはできるのでしょうか。公正証書を作成するには、契約内容(発生すべき債権)が明確に定められな ければなりません。それが不明確であると、公正証書の作成は拒絶されてしまいます。一般的には、将来発生する債権について、公正証書を作成することはで きません。 ただ、一定の条件が整ったり、期限が到来したりすれば、確実に債権が発生するという場合には、債権の内容は明らかなので、公正証書を作成することができ ます。これらの債権を「停止条件つき債権」、「始期つき債権」といいます。求償権は主債務者の代わりに保証人が返済したことを条件として発生するもので すから、停止条件つき債権と同様に考えて、公正証書を作成することができるとされています。もっとも、ある将来債権が公正証書にできるものかどうか、そ の判別は微妙なものとなります。事前に、弁護士や、実際に作成を嘱託することになる公証人に相談しておくのがよいでしょう。