公正証書の閲覧・保存

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公正証書の保管期間はどうなっているのか

公正証書を作成するメリットの一つに、公正証書の原本は確実に保管されているという点があります。公正証書が作成されると、その原本には表紙がつけられて番号順につづられます。そして、作成された公証役場に付属している倉庫などの堅固な建物内に保管されます。この保管期間は、原則として、原本作成年度の翌年から20年間となっています。ただ、嘱託人が同意すれば、この期間は5年間にまで短縮することもできます。保管されている原本は、災害を避けるといった例外的なケースを除いては、外に持ち出すことは禁じられています。

公正証書を閲覧するには

災害などによって嘱託人が保管していた公正証書が紛失したり、嘱託人以外に利害関係を持っている人が公正証書を見てみたい場合などがあります。そのような場合に備えて、保管されている公正証書の原本を閲覧できるようになっています。手続きは次のようになります。

※嘱託人本人が閲覧したいときは、本人であることを証明する書類を提出します。原則としては、作成を嘱託するときと同様に、印鑑証明書を提出しますが、例外的に、運転免許証、外国人の場合の外国人登録証などの提出も認められています。 ※代理人を通じて閲覧することもできます。その際、本人の交付する委任状の提出が求められます。 ※相続人など嘱託人の承継人も公正証書の原本を閲覧できます。その場合、承継人であることを証明できる書類(相続人であれば戸籍謄本)を提出します。 ※公正証書の趣旨について法律上の利害関係をもつ者も、閲覧を請求することができます。その際、利害関係を証明することが必要になります。あくまで、「法律上」の利害関係であって、感情的・事実上の利害関係ではありません。

公正証書が滅失したらどうなるのか

公正証書は高い証明力を持ち、長い期間保管されることになっています。ただ、地震などの災害が比較的多い日本では、保管している建物が焼失するなどして、公正証書の原本自体が失われる可能性も否定できません。もし、そうなった場合には、どうなるのでしょうか。まず、公正証書の原本が滅失したら、公証人は、すぐにそのことを所属する法務局または地方法務局の長に報告しなければなりません。

その上で、復旧のために、すぐに嘱託人に対して交付してある公正証書の正本または謄本をもとに、滅失した証書に代えてこれを保存し、かつその証書にはそのことを付記することになっています。このとき、公証人は、その所属する法務局または地方法務局の長の認可を受けなければなりません。ただ、交付された正本も謄本もなければ、証書に代えることはできません。なお、20年間という保管期間が満了すれば、公正証書の原本は廃棄されます。廃棄するときには、公証人は、その目録を作成した上で、所属する法務局または地方法務局の長の認可を受けることとされています。