収益物件を生前贈与しよう

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アパートを贈与すれば子どもに財産が蓄積する

生前贈与の方法として、相続時精算課税という制度を紹介しました。贈与額が2500万円以下であれば、贈与税がかからず、贈与できるという制度です(親の年齢が65歳以上等の条件があります)。ただし、この制度は、子どもの贈与税を免除するものではありません。贈与された金額は、相続時に、相続財産に加算されて、相続税が計算されます(贈与時に贈与税が生じた場合は、相続税から精算)。親から子への相続財産の先払いを認めるというのが、この制度の趣旨です。つまり、この制度で現金の贈与をしても、相続税の節税策にはならないのです。

相続時精算課税制度を、相続税対策として活用するには、アパートなどの収益物件を贈与することです。子が収益物件を贈与されれば、家賃収入を得て、これを蓄えることができます。もし、親が収益物件を贈与しなければ、親が家賃収入を得ることになり、相続財産が蓄積されていきます。蓄積予定の財産を、前もって分散させて、相続対策とするのです。具体的なケースで考えてみましょう。建物の時価3000万円のアパートを贈与し、固定資産税評価額は2000万円、借家権割合は30%、敷金は100万円という例です。まずは、アパートの建物購入資金の現金3000万円を贈与した場合と、アパートを贈与した場合の税額を比較します。

①現金3000万円を贈与した場合
(3000万円-2500万円)×20%=100万円
(建物時価-非課税枠)×税率

②アパートの建物を贈与した場合
2000万円×(1- 0.3)-2500万円<0
建物固定資産税評価額×(1-借家権割合)-非課税枠<0

現金の贈与では100万円の贈与税がかかりますが、アパートでは贈与税はかかりません。

敷金相当額も同時に贈与する

次に、アパートにかかる敷金の取扱ですが、アパート賃貸の際に賃借人から受け入れる敷金は、賃貸借契約終了後に賃借人に返済する債務です。アパートを贈与することは、所有権だけではなく敷金の将来の返還義務も贈与者から受贈者に移転することになるので、そのまま贈与すると、負担付贈与に該当します。負担付贈与に該当すると、財産を、債務も含めた時価で贈与したとみなされます。

(3000万円-100万円-2500万円)×20%-80万円
(建物時価-敷金債務-非課税枠)×税率

負担付贈与を避けるには、アパート贈与時に、返還すべき敷金相当額を現金で同時に贈与する必要があります。

2000万円×(1-0.3)+(100万円-100万円)-2500万円<0
建物固定資産税評価額×(1-借家権割合)+(現金-敷金)-非課税枠<0

こうすることで、建物