孫への贈与には相続税がかからない

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相続開始前3年以内の贈与は相続財産になる

毎年コツコツと子どもに財産を贈与して、相続財産を減らせば、相続税を減らすことができます。しかし、相続税法では、過度な相続税対策を防止するため、相続で財産を取得した人に、相続開始前3年以内に被相続人から贈与された財産がある場合、その財産を、相続財産にプラスして相続税を計算することを義務づけています(ただし、贈与時に贈与税を支払っていれば、相続税から控除します)。次の図のように、平成22年9月相続の場合、平成19年9月からの贈与は贈与と認められず、相続財産として計算されるため、相続税の減額とはなりません。

相続権がない孫には相続税がかからない

ですが、この贈与財産を、相続財産に含めない裏技があります。贈与を、相続人ではなく、孫に行うのです。3年以内に贈与された財産を、相続財産にプラスして相続税が計算されるのは、「相続または遺贈(遺言により、財産を他人に贈与すること)により財産を取得した人」のみです。代襲相続人である場合を除き、孫には相続権がありません。そのため、孫が相続時に財産を取得しなければ、相続開始前3年以内の贈与財産が相続財産に加算されることはありません。こうした孫への贈与は、有効な生前贈与だといえるでしょう。孫は次の相続で財産を継ぎます。2回すべき相続が1回で済んだとも考えられるのです。