遺産分割協議書を作る②―相続人別に作成する

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全員が集まれないときには相続人別に作成する

遺産分割協議書の作成にあたっては、できれば相続人全員が一堂に会して十分話し合い、お互いに納得した上で、その場で遺産分割協議書に署名押印をするのが望ましいでしょう。しかし、相続人の数が多く、しかも全国各地に点在している場合など、相続人全員が一堂に会することは容易ではありません。それぞれが社会人として責任ある立場にいる場合などは、なおさら難しくなります。

このようなときは、同一内容の遺産分割協議書を相続人の人数分作成し、これを各相続人に郵送し、1通の協議書に1名が署名押印した上で返送してもらうという方法があります。そして、署名押印された遺産分割協議書を1ヵ所に集めるのです。遺産分割協議書には、必ずしも1通の書類に相続人全員が連名で署名押印する必要はありません。結果的に相続人全員の署名押印した協議書がそろえばいいのです。

つまり、本来1通の遺産分割協議書にA、B、C3名の相続人が連名で署名押印すべきところを、同じ内容の遺産分割協議書を3通作り、それにA、B、Cがそれぞれ単独で署名押印しても効力は変わりません。ただし、この場合には、お互いに事前に十分に話し合い、意思の疎通を図っておくことが大切です。

問題のある遺産の分割は後回しにすることもできる

相続が発生し、相続人が遺産の分割をするときには、すべての遺産を1回で分割するのが、最も望ましく、またそれが原則です。遺産の一部を分割して、一部が未分割であることは、相続人の間に将来の争いの種を残すことになりますし、何度も分割を行わなくてはならないことは、相続人にとってもわずらわしいことです。

ですが、預貯金など、分割が制限されると相続人の生活を脅かす可能性がある資産については、早期に使用できる状況にしなければなりません。このような場合は、分割して問題のない遺産だけを早期に分割してしまいましょう。「問題のある遺産」については十分話し合って分割します。