政府保障事業とは

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政府保障事業により救済を図っている

自賠法は被害者救済のために制定された法律です。
しかし、被害者が轢き逃げ事故にあい加害者が不明の場合や、加害車両が自賠責保険にも加入していない事故であった場合には、被害者は自賠責保険の保険金を受け取ることができず、救済を受けることができません。

そこで、これらの事故の被害にあった場合には、被害者の被った損害を政府が肩代わりすることにし、被害者の救済を図ることにしました。これが「政府保障事業」といわれる制度です(白賠法七一条~八二条)。

保障の程度や保険金の限度額は、自賠責保険と同一とされていますが、最高裁の判断によれば、この場合の被害者救済は、「他の手段によって救済されない場合の必要最少限度の救済を与えるもの」であるとしております。

また、加害者の自賠責保険から支払われるものではないため、実際の救済の内容は、自賠責保険よりも厳しいものとなっております。

自賠責保険と政府保障事業との違いは

政府保障事業が自賠責保険と比べて異なる点を、以下に述べておきます。

  1. 自賠責保険の請求に比べて、請求から支払いまでの日時が長期化しています。
  2. 自賠責保険では単に好意同乗や無償同乗だけでは、減額はしませんが、政府保障事業では無償同乗というだけで、慰謝料を30~40%減額します。
  3. 親族間の事故では、自賠責保険では保険金の支給を認めていますが、政府保障事業では認めていません。
  4. 治療費については、自由診療を認めず、すべて健康保険の点数に換算して支払われることになっています。
  5. 複数の車両による事故の場合には、自賠責保険ではそれぞれの車両の自賠責保険から保険金の支払いを受けることができますが、政府保障事業では一台の車両の分の保障に限られています。
  6. 自賠責保険では被害者に重大な過失があった場合のみ過失割合に応じて損害額から減額されますが、政府保障事業では過失があれば減額されます。

政府保障事業の請求手続きは、政府が損保会社に業務委託をしていますので、自賠責保険の請求手続きと同じです。
もちろん、後日、加害者が判明した場合には、加害者に対して、被害者へ支払った金額を請求することになっています。