死亡事故の場合の実際の示談交渉例

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交渉のポイントをできるだけ早くはっきりさせる

被害者は42歳のサラリーマン。夜間11時すぎ、酒に酔って信号のない道路を横断中に自家用車にはねられ、救急車で病院へ運ばれたが 1週間後に死亡。加害車両の運転者は19歳の受験浪人生で、制限速度をオーバーするスピードを出していました。相続人は妻と子供二人。加害者は葬儀にも参列せず、保険会社の代理人と損害賠償の交渉を開始することにしました。話しを進めていくうちに、加害者は未成年だが車は本人名義のものであり、親には損害賠償を支払う責任がないという点が問題となりました。そこで、調査事務所に頼んで調べてもらったところ、加害者は親と同居、車を買うについても親の援助を受けており、車庫も親の敷地にあること、また車は家族で使っていたこと(ファミリーカーの原則)などがわかり、これらのことを告げたところ、親も渋々責任を認めました。過失割合についてはもめたのですが、過失割合認定基準表を用いることで話がつき、被害者の過失20%で合意しました。なお、加害者の運転していた車には、対人5000万円の任意保険が付いていました。

損害賠償額についての交渉の経過は

逸失利益は、被害者側は42歳から67歳までの25年間の新ホフマン係数15.944に年収の850万円を掛け、さらに消費生活費を1/3として残りの2/3を掛けた約9034万円としたのに対して、加害者側は42歳から60歳(定年)までの18年間のライプニッツ係数11.69に850万円と生活費の2/3を掛けた約6624万円を主張しました。慰謝料は、被害者側は2400万円、加害者側は1500万円、葬儀費・お墓の費用は、被害者側は350万円、加害者側は葬儀費用は100万円、お墓の費用は認めませんでした。交渉は半年の間に12回行い(これ以上は訴訟した方がいい)、最終的には、表のような示談が成立しました。