死亡慰謝料はどのようにして算定するか

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精神的な苦痛の受け取り方は被害者により千差万別

慰謝料というのは、被害者自身が受けた被害により被る精神的な苦痛に対する損害賠償です。かつては、本来、慰謝料は痛みを感じる本人だけに専属するものであり(一身専属県)、相続の対象にはならないとされていました。これに対して、最高裁判所が、死者が慰謝料を放棄したと解しうる特別の事情がない限り、当然に相続されるものであるとの判断を示し、この問題は一応の決着をみました。慰謝料を算定するにあたっては、被害者の年齢、収入、社会的地位、家族構成、家族の経済的状態に与える影響、死亡に至るまでの苦痛の程度などを考慮して算定することになっています。しかし、この原則論を貫くと、実際問題として、それぞれ異なる事故の形態、被害者の諸状況によって慰謝料を明確に算出することは困難です。本来、慰謝料は被害者の主観的、感情的な、いわゆる内心の問題であり、これを一つひとつ取り上げていくことは、際限がなく、また公平さも保たれません。 そこで、できる限り不合理な差をなくすために、生命の価値に対して一定の基準を持たせるような定額化が、各地の地方裁判所で始められました。

現在では死亡慰謝料額は定額化されている

しかし現在では、裁判所による慰謝料の基準は発表されなくなり、これに代わるものとして、全国各地の裁判所で出された判決を収集し、分析して、公表している日弁連の「交通事故損害額算定基準」では、死亡した者の年齢、家族構成等により、次のような基準を掲げています。

  1. 死亡者が一家の支柱の場合 2700万円~3100万円
  2. 死亡者が一家の支柱に準ずる場合 2400万円~2700万円
  3. その他の場合 2000万円~2400万円

実際には、前に述べた具体的な事情を加味して、右の範囲内で算定することにしています。なお、一家の支柱に準ずる場合とは、家事の中心となっている主婦、養育を必要とする子供を持つ母親、高齢の父母、幼い兄弟の扶養や仕送りをしている独身者などです。