生きていれば得られたはずの利益(逸失利益)の出し方

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逸失利益を計算する方法は

死亡事故の場合に被害者側にとって一番重要な問題が逸失利益の算定です。また、損害賠償金額の中でも、高齢者の場合を除けば、一番高額になるものです。逸失利益とは、被害者が事故にあわず生きていたら、67歳になるまでの間に取得したと推測される利益(収入)のことをいいます。この67歳というのは、この年齢まで働けると想定される年齢で、裁判所も保険会社もこれを認めています。逸失利益がいくらになるかを証明する責任は被害者側にあります。逸失利益の計算の仕方は、後述するように決まっていますから、しなければならないことは、その算定方法の材料である死亡した被害者の「収入の証明」が、最も大事な仕事といえます。まず、逸失利益を算定する方法の大筋を述べておきます。 ※死亡した被害者の年収を出す。
※被害者の年間消費支出額(定型化されている)を出す。
※年収から年間消費支出額を差し引いて年間純利益を出す。
※被害者の就労可能年数(残存稼働年数)を出す(67歳になるまでの年数)。
※年間純利益に就労可能年数を掛ける。その際にライプニッツ(または新ホフマン)式計算法によって中間利息を差し引く。

生きていれば生活費がかかるわけだからこの分は差し引く

就労可能年数と収入の証明の仕方については、次で説明しますので、ここでは年間消費支出額について述べておきます。被害者が生きていれば、当然生活費がかかるわけですから、これは損害賠償額から控除しなければなりません。これは家庭により、人により相当バラツキがありますので、査定は困難です。かつては、裁判所は、家計簿や家庭の証言などで具体的に算定していましたが、現在では定額化され、※表のようになっています。

生活費の控除率
一家の支柱 女子(女児・主婦を含む) 男子単身者(男児)を含む
30%~40% 30%~40% 50%
判例では30%~40%からの範囲で一定していないが、総体的には30%をとるものが多い。 幼児・少年者については従来、男女一律に50%とされていたが、賃金センサス(男女別平均賃金)を使用する場合の男女格差是正の意味から30%~40%とする判例が多い。 男子単身者でも、事情によっては50%を下回る判例もある。