傷害事故の場合の具体例による損害額の算定の仕方

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傷害事故での賠償額の算定

傷害事故の場合、後遺障害が残るかどうかで、損害賠償額の算定が大きく違ってきます。後遺障害が残った場合の損害額の算定は次項以下に譲るとして、ここ では後遺症がない場合の損害額について、具体的事例で解説します。 被害者は15歳の女子中学生です。青信号で横断歩道を渡っているときに、右折してきた軽トラックにはねられました。救急車で病院に運ばれ診断の結果、右足 大腿部骨折等の傷害で入院となりました。入院は35日におよび、退院後の完治までの通院期間は4カ月で、実通院日数は36日でした。傷害の損害賠償額の算定は 、すでに述べたとおり、大きく分けると、①積極損害、②消極損害、③慰謝料、④その他に分類することができます。また、過失があれば、その割合に応じて 損害賠償額から減額されることになります。これを算式で示すと、以下のとおりになります。 [①積極損害+②消極損害+③慰謝料]×100-被害者の過失割合/100 本例は、信号が青で歩行者が横断していたケースですので、被害者に過失はなく、過失は0%として、次の表に損害額の計算例をまとめました。

傷害の場合の損害賠償額の算定例
〔被害者〕15歳の女子中学生。
入院35日、通院延べ4か月(実通院36日)後遺障害はない。
損害の種類 金額
① 積極損害(下記は内訳) 192万円
  ・入通院治療費(実費) 120万円
  ・付添看護料(職業付添婦費用)(実費) 25万円
  ・通院付添費 12万6,000円
  ・入院中雑費 5万6,000円
  ・家庭教師代(学力低下を補う必要な相当額) 25万円
  ・入通院交通費(必要なバス・電車代等) 1万8,000円
  ・衣料損傷費(補修不能なら購入時の時価) 2万円
② 消極損害(休業損害) なし
③ 慰謝料 120万円
①+②+③  損害賠償額 合計 312万円
※近親者通院付添い1日につき3,500円×36日
※入院雑費は1日につき1,600円×35日で計算
※(77頁の『入通院慰謝料額表』により算出すると、慰謝料は154万円~83万円の範囲。120万円で話がつく)
(注1)被害者に過失があれば、過失相殺をされる。