治療費などの積極損害は全額請求できる

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原則として治療費などのかかった費用は全額請求できる

自動車事故でケガをした場合、加害者に請求できる損害賠償項目は前述のとおりです。このうち、被害者が実際に支出した費用のことを「積極損害」といい、当然これらの費用は全部請求できます。 では、これらの費用はどのようにして算出すればよいのでしょうか。まず、入院したときにかかる費用は、治療費や入院費です。これらの費用については、病院の請求書や領収書で明らかですので、問題はありません。その全額が請求できます。問題になるのは、室料です。大したケガもないのに、特別室(個室)に入院しても、それが認められるかどうかは問題です。一般部屋に空室があるのに特別室に入院しても、被害者の社会的な地位などによって問題はありますが、原則としてその病院の通常の平均的な室料を基準とすべきです。ただ、救急車で運ばれて行った病院で特別室しか空いてなかった、あるいは重傷なので特別室に入れられたという場合には、個室の特別料金も請求できます。 事故でケガをしたために、義足、義肢、義眼、義歯、眼鏡などが必要となった場合には、当然これらの費用も将来にわたって請求できます。

通院に要する交通費も請求できる

被害者本人が治療を受けるために通院する場合の交通費はもとより、付添人の交通費も請求できるのは当然です。誤解のないように言っておきますが、通院の交通手段としてタクシーを利用すれば、そのタクシー代がすべて無条件に認められるというわけではありません。あくまでもタクシーの利用が認められるのは、重傷で緊急を要する場合、ケガの箇所が足で歩けない場合、体が衰弱している、ほかにタクシー以外の交通手段がないなどの場合に限られます。電車やバスがあるのにタクシーを利用しても認められません。バスや電車を利用した場合には、費用を請求するのに領収書は必要ありませんが、タクシー代を請求するときは領収書が必要になる場合が多いようですから、必ず領収証もらうようにして下さい。なお、自宅からJRの駅まで徒歩25分を要し、しかも便数が少なく不便であるとして左手疼痛の被害者に通院実費としてタクシー代2543390円を認めた例があります(大阪地裁・昭和63年12月21日判決)。交通費以外の雑費については、領収書等により証明しなくても、入院1日に付き1400円~1600円見当で認められます。