加害者以外にも損害賠償責任をとれる場合がある

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未成年者の起こした事故と損害賠償義務者

未成年者が、交通事故のような不法行為をした場合、その行為の結果、何らかの法律的な責任が発生するんだということを判断するだけの能力(これを責任能力といいます)を持っている場合には、未成年者自身が損害賠償責任を負うことになります。この責任能力が備わる年齢は、判例を調べますと、12歳から13歳ぐらいとされています。したがって、単車や自動車の運転を許されている未成年者の場合、まず損害賠償責任は未成年者が負うことになります。しかし、現実問題として、未成年者には資産もなく、支払い能力もないのが普通です。 その未成年者が働いており、雇主の義務のために運転中であったり、雇主所有の車を運転中に起こした人身事故であれば、雇主に運行供用者責任がありますから(自賠法3条)、雇主を交渉相手にできます。また、事故を起こした車が父親所有の名義であるとか、家族全員がその車を運転していた場合には、任意保険に加入しているでしょうし、またファミリーカーの原則により、父親を交渉相手として交渉できます(保険会社の代理人が出てくるでしょうが)。さらに、未成年者が自分所有のバイクで事故を起こした場合には、バイクの購入代金や維持費を親が出していた、あるいはその未成年者がたびたび事故を起こしていたのに、親が無責任に放置していたというような場合には、前者は自賠法3条により、後者は親の監督責任(民法714条)に基づいて親の責任を追及できます。

会社の車の事故で会社が損害賠償責任を負う

従業員の起こした事故について、会社が民法上の使用者責任を負います(民法715条)。しかし、この場合には被害者の側で、損害の立証に加え、加害者の故意、過失を立証しなければなりません。そこで、人身事故については、「自動車損害賠償保障法」に基づき会社の責任を追及すると良いでしょう。この法律では、自動車を所有するもの、車を使用する権利を持つ者で、自己のために自動車を運行の用に供する物を運行供用者と規定し、運行供用者にも交通事故による損害賠償責任を負わせて(同法2条、3条)運行供用者の側に、①自己または運転者が十分な注意義務を尽くしたこと、②被害者または第三者に故意過失のあったこと、③自動車に構造上の欠陥または機能上の障害のなかったこと、の立証責任を負わせたのです。この証明は困難で、無過失責任に近い責任を加害者側に負わせたものといわれています。 なお、従業員の自家用車による事故についても、会社が共同して責任を負う場合があります。それは、従業員の自動車を会社の業務用に会社が使用させていた場合です。それ以外は、会社が従業員の通勤にマイカーの使用を許し、会社が駐車場を提供し、ガソリン代も提供していたというようなケースでも、会社の運行供用者責任は認められません。