示談とは何かを知っておく

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いったん示談をしてしまうと後でやり直すはできない

普通に日常生活を送っている人にとって、法律的なトラブルに巻き込まれるということは、めったにあるものではありません。ですから示談という言葉は聞いたことはありますが、実際どのようなものか、詳しく知っている人は少ないようです。このサイトでは、示談がメーンテーマです。この際、示談とはどういうもので、どのような法律的な効果を持つのか、しっかり勉強しましょう。示談というのは、借家の立ち退き、離婚の慰謝料請求など、法律的な紛争を抱えている当事者が、お互いに話し合いをし、譲りあって、紛争を解決することをいいます。例えば、おカネの貸し借りで、貸した方は、50000円貸した、借りた方は30000円しか借りていない、というような争いが起こった場合、話し合いの末、中をとって 40000円を返すことで話しをつけるような場合を、示談により解決したといいます。示談をする際に大事なことは、いったん示談をしてしまうと、後で示談当時と異なる事実関係が分かっても、示談のやり直しができないということです。前の例でいえば、後になって30000円の借用書が出てきても、借りた方は40000円は返済しなければならないのです。

示談は法律上の和解契約にあたる

交通事故のうちの人身事故だけに限ってみると、その95%が示談によって解決しています。交通事故と示談とは密接な関係があるといえます。しかし、このように法律的に重要な働きをしている示談ですが、示談という言葉は、六法全書のどこを開いてもでてきません。しかし、示談に該当するものに和解があります(民法695条から民法696条)。民法695条を見ますと、「和解は当事者がお互いに譲歩してその間に存在する争いを止めることを約するによりてその効力を生ずる」と規定されています。要するに、示談は民法上の和解契約と同じといえます。ついでに触れておきますが、裁判上の和解という制度があります。これは、紛争が裁判になった場合に、裁判官が当事者の中に入り、話し合いを行って、話しがまとまれば、裁判官が和解調書を作ってくれるものです。この和解調書は、判決と同じ効力(強制執行ができる)を持ちます(民事訴訟法136条)。一般に、当事者の間で示談が成立すると、示談書を作成します。示談書は自動車保険金の請求の際に必要な書類ですし、示談の内容が分割払いなど長期にわたるときは、必要不可欠となります。