宗教活動で家庭が崩壊したら離婚できる

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信教の自由や宗教活動の自由は認められてはいるか自ずから限度がある

信仰や宗教活動の自由は憲法の認めているところですから、妻が夫あるいは家の宗教と異なる信仰をするに至ったからといって、そのことを理由に離婚の 申立てをしても離婚が認められるわけではありません。宗教をめぐって申し立てられる離婚事件をみますと、・自分の信じている宗教に勧誘するため毎日のよう に外出する、・集会だ会合だといって夜遅くまで出歩いている、・御利益があるからとかなりの金額の寄付をれるなど、があげられます。心の問題である宗教そ のものよりは、宗教活動から派生する問題が原因になっています。夫婦の一方が、特定の宗教活動に熱中し、相手の気持ちや家庭生活をないがしろにした結果、 夫婦関係はギクシャクし、いさかいが絶えず、ついには、夫婦関係を継続していくのが困難な状況に立ち至った場合に離婚問題となって出てきます。

夫婦関係を壊す程度にまで宗教に熱申していれば離婚は認められる

もちろん、この場合も、離婚の申立理由としては、「婚姻を継続しがたい重大な事由」ということになります。宗教というきわめて内面的な問題につい て、お互いに相いれない価値観に基づいて、相手を非難、嫌悪しているような場合には、結婚の本質とも言うべき精神的な結合は困難となり、夫婦関係が破綻し たとみられるケースが多いようです。宗教活動の自由が認められているといっても、そこに自ずから限度があります。家事や育児をおろそかにしてまで宗教活動 に熱中し、家庭生活をないがしろにするようなことは許されることではありません。判例でも、昼夜の別なく外出し、時には無断外泊まで重ねるほどであったた め夫婦関係が破綻したケースで離婚を認めています。たとえば、妻が宗教活動の集会に熱心に出席し、ときには自宅を提供しているうちに活動はエスカレートす るようになり、家事をおろそかにし留守がちとなり、正月その他世間一般の習俗的行事を行わないなど、家庭の安息が失われたというケース。また、宗教を信仰 するようになったことが原因で夫婦間に亀裂が生じ別居するに至ったが、妻は別居後もますます熱心に信仰し、週3回の集会や地域での布教活動に参加するよう になり、宗教活動を自粛する気持ちも離婚する気持ちもないというケース。裁判所は、前記のケースで、いずれも夫からの離婚請求を認めています。

長年の宗教をめぐる争いで離婚が認められたケース

紹介する例は、結婚25年、子どもが3人いる夫婦です。妻はエホバの証人に熱中し、子供を入信させるばかりか、神棚を夫の実家に返すなどしたため夫 婦間の亀裂対立は深刻となり、10年にわたり争いを続けてきたというものです。このような根源的な問題についての対立は今後も解消できないとして離婚を認 めました(東京地裁・平成9年10月23日判決)。