内縁の場合も財産分与や慰謝料を請求できる

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養育費の取立ては金額も少額なだけに困難な面がある

法律上は、夫婦同然の生活をしていても、お互いに結婚するという意思がなければ、これは単なる同棲です。内縁というのは、結婚の意思が双方にあり、 実質的に夫婦同然の生活をしている状態にある夫婦をいい、単に婚姻届を出していないカップルのこといいます。ですから、戸籍上の妻あるいは夫がいるのに、 他の異性と結婚の意思をもって同棲生活を送るのも内縁関係です。この場合を、重婚的内縁関係といっています。いずれにせよ、内縁は法律の期待する婚姻届を 出していないわけですから、原則として、法律の保護を受けることはできません。すなわち、子どもが生まれても同じ姓を名乗ることはできませんし、夫婦のど ちらか一方が死亡しても財産を離婚する権利はありません。しかし、婚姻届を出していないという一事をもって、夫婦共同生活を送っている内縁関係にある者に 対して何らの法的保護を与えないというのは、公平さを欠き、酷だといえます。

内縁関係の破棄の場合、離婚に準じるものは

今日では、内縁関係を婚姻に準じる関係(準婚関係)として、婚姻に関する民法の規定が準用されています。もちろん、婚姻に関する規定がすべて適用さ れるわけではありません。夫婦の同居義務、協力義務、扶助義務の規定は適用されます(民法752条)。給料を家に入れない場合には、協力扶助義務違反とな るわけです。 また、婚姻費用分担の規定も適用されます。これは家庭内の生活費をいかに負担するかという問題ですが、実質は扶助義務と重なる部分が多く、一般に生活費の 請求は婚姻費用分担請求で行われています。もちろん、貞操の義務も認められています。さらに、内縁関係に干渉して、これを破綻させた第三者は、損害賠償の 義務を負うことが認められています。 内縁は法律の期待するところではありませんので、これを解消することは、いつでも、自由にできます。そして、内縁解消による損害を補填するために、内縁に ついても財産分与の請求が認められています。同様に、内縁を解消するについて、責任が一方のみにある場合には、相手方に慰謝料の請求ができます。