離婚における財産分与とは

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財産分与は離婚の原因を作った側からも請求できる

離婚する場合、離婚に伴う給付金には、財産分与、慰謝料、子がいる場合の養育費が考えられます。ここでは、財産分与について解説します。財産分与と は、婚姻中に取得した財産は、たとえ名義は一方の配偶者となっていても他方の配偶者の協力があってのことであり、潜在的に夫婦共有財産と考えられます。離 婚に際して夫婦共有財産を清算するというのが財産分与の考え方なのです。財産分与額はケースバイケースです。しかし、一般的に言えば、婚姻期間が長くなれ ば夫婦で築いた財産も多くなることから高額化する傾向にあります。なお、現実の財産分与の支払いは、慰謝料と合算する場合もあるようです。普通のサラリー マンで財産分与と慰謝料を合わせて100~400万円が典型でしょう。さて、税金ですが、財産分与の額が、その夫婦が協力して得た婚姻中の財産の額や社会 的地位からして、夫婦共有財産の清算として相当な額であれば、贈与税は一切かかりません。ただ、不動産を財産分与した場合、贈与した側に譲渡所得税がかか る場合がありますので要注意です。

財産分与は共有財産の清算である

離婚にともなって支払われる金銭を離婚給付金といいます。この給付金には、財産分与、慰謝料、そして子どもがいる場合には養育費があげられます。給 付金の中でも、離婚の際にどの夫婦も話し合わなければならない財産分与は、もっとも重要であるといえるでしょう。本章では、離婚給付金の中の財産分与と慰 謝料について解説します。養育費については第4章で述べます。 法律上は夫婦が婚姻中に築いたお金は夫婦2人のものであると規定されます。たとえば、夫だ けがはたらいて収入を得て、妻は専業主婦に終始してはたらいていないとしても、夫の稼いだ収入は2人のものとなるのです。これは、あくまで夫が収入を得ら れるのは、妻の協力、いわゆる「内助の功」があるからこそであるという考え方にもとづくものです。つまり、たとえ直接的に収入を得ていないとしても、夫の 得た収入はすべて「夫婦が共同で形成したもの」と判断されるわけです。ですから、結婚中は一切はたらかず専業主婦であった女性でも、財産分与を主張するこ とができます。離婚するときは、結婚していた間に得た夫婦共有の財産は清算しなければなりません。これが財産分与の基本的な考え方です。ちなみに、多くの 会社員の家庭では、稼ぎ手である夫が預貯金の名義人になっていて、夫婦共有の財産としてマンションや車などの買い物をするときも夫個人の名前で購入する事 が多いと思いますが、これらすべてが財産分与の対象になります。

「扶養的財産分与」について

財産分与には、築いてきた財産を離婚に際して清算するという意昧合いのほかに、離婚によって生活が不安定になる側を扶養するという側面もありま す。たとえば専業主婦をしていた女性が離婚するケースでは、当然のことながら生活が不安定になることは否めません。しかし、妻が家庭に専念していたからこ そ夫は収入を得ることができたわけですから、別れた妻が離婚後に自分の力で生活できるようになるまでは、夫は妻の生活の保証をするのが公平であると考えら れています。これを「扶養的財産分与」といい、いわゆる「共同で得た財産を分ける」という意味合いの財産分与とは異なります。扶養的財産分与では、夫みず からの固有財産や収入をさいてでも、夫は離婚した妻に財産を与えるべきであるとされています。だからといって、妻は一生涯、別れた夫に全面的に扶養されて 生活できるというわけではありません。金額も支給される期間も制約があります。

一般的な財産分与額はどうなる

当然のことながら、それぞれの夫婦が築いた財産によって財産分与額は違ってきますが、現在のところ、一般会社員の家庭では、財産分与と慰謝料をあわ せ、額にして200万円程度といえるでしょう。また通常、婚姻期間が長いほど財産も多くなりますから、分与の金額は大きくなります。熟年離婚ほど、高額を 請求できるということになってくるわけです。なお、財産分与の額が夫婦共有財産の清算として相当な額であれば。贈与税が課せられることはありません。