有責配偶者からの離婚請求が認められた

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昭和62年に最高裁が離婚原因を作った有責配偶者からの離婚を初めて認めた

「不貞」「悪意の遺棄」などを理由とする離婚請求は、有責事由がある配偶者に対する無責の配偶者からの離婚を認めるものです。「生死が3年以上不 明」「精神病」などを理由とする離婚請求は、相手の配偶者が有責とは言えない場合でも離婚請求を認めるものです。「婚姻を継続しがたい重大な事由」を理由 とする離婚請求は、法律の条文だけでは、相手の配偶者に有責事由があることを必要としていません。もっとも有責配偶者が離婚を求めているのに無責配偶者が 意地になって拒絶するというのは、有責事由として不貞以外にはあまり考えられません。暴力や酒乱であれば無責配偶者の方が逃げたくなるでしょうから。長い 間裁判所は、有責配偶者からの離婚請 求を認めませんでした。夫からの妻に対する「追い出し離婚」を防ぐ意味と、「クリーンハンズの原則」により有責配  偶者からの離婚を認めることは、法の正義に反するという考えもあったでしょう。ただ流れは客観的な破綻主義に確実に向かっています。女性の社会進出が進 んだことも原因ですし、有責配偶者であるが故に形骸化した婚姻に懲罰的にしばりっけるのは無意味であり離婚して互いに別の新しい人生を歩めばよいという婚 姻感、離婚感の変化も原囚と言えます。最高裁が最初に有責配偶者からの離婚請求を認めたのは、36年間別居が続き、その間夫が妻に対して生活費を送り続 け、離婚に際しても財産分与の提供を申出、離婚により妻が苛酷な状況に追い込まれない、未成年の子がいないなどの事実があった場合でした。

離婚が認められるためには一定の要件を満たすことか必要

その後の判決は別居期間がどんどん短くなり、およそ6~8年間別居が続いていれば、その他の要件の充足をも当然検討しますが、ほぼ離婚を認めていま す。したがって有責配偶者からの離婚請求も、別居期間が相当続いている、相手配偶者が離婚により苛酷な状態に置かれる恐れがない(生活費や財産分与をそれ なりに提供しているとか、あるいは相手配偶者も生活能力があるなど)、未成年の子がないなどの要件を満たせば、離婚を認められる可能性があります。民法の 改正案が検討されていますが、それによると「何年かの別居」があれば離婚を認めたらどうか、という方向となっています。もちろん養育費や財産分与などの解 決が前提とされるとは思いますが、この「一定期間の別居」があれば離婚を認められるとなると、別居に至った原因やどちらが有責かなども問題にする必要がな くなります。