商品保管の継続的寄託契約公正証書

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継続的寄託契約とは

寄託契約とは、受寄者(物を預かる人)が寄託者(預ける人)のためにある物の保管をなす事を約した上、その物を受け取ることによって成立する契約です(このような契約を要物契約といいます)。

商品寄託契約公正証書

本公証人は、当事者の嘱託により、その法律行為に関する陳述の趣旨を縁取し、この証書を作成する。

寄託者○○商会株式会社(以下「甲」という)と受寄者△△倉
庫株式会社(以下「乙」という)は、次のとおり商品の寄託契約
を締結した。
第1条(本契約の目的)本契約は、甲において、その保有する下
記商品(以下「本件物件」という)の保管を継続的に乙に委託
することとし、乙はこれを有償にて受託することを目的とする。

商品の表示  日用雑貨商品の一切
第2条(保管場所)乙は、本件物件を乙の本店所在地の倉庫にお
いて保管する。
2 前項の保管行為は、乙の責任で、本件物件を第三者に保管さ
せることができる。
第3条(寄託物の数量)甲の数量は、前条の倉庫内D区画80平方
メートル内に収納しうることを限度とする。
第4条(本件物件の取扱い)本件物件の搬入・収納および搬出は、
甲が随時これを行うこととし、これによって生じた損害につい
て、乙はその責を負わない。
第5条(免責)本件物件につき、前条の行為は、甲が行う限り、
これによって生じた損害を乙が負担することはない。
第6条(保管委託料等)保管委託料は、一律一か月、金○○○○
○円とする。
2 ただし契約終了に際しての端数の日数は日割計算とする。
3 前1項の規定は、現実に寄託した物の有無および数量に関係
なく徴収することとする。
4 甲は、乙に対し、前項の保管委託料を毎月末日限り翌15日に、
乙の指定する取引銀行口座に振込送金して支払う。
5 前項の場合において、甲は乙の許諾の後、乙の住所地に持参
して支払うこともできる。
第7条(契約期間と解約可能性)本契約は、本日より1年間有効
とする。
2 前項の場合において、期間満了前3か月以内に当事者のいず
れからも異議がないときは、契約は当然に1年間、自働更新さ
れるものとし、その後も同様とする。
3 甲は、契約期間中といえども、いつでも解約の申入れをなす
ことができ、その場合においては、申入れの後1か月の経過に
より契約は終了するものとする。
第8条(損害賠償)本契約の一に違反した事由ある場合で、損害
が生じた場合には、相当額の賠償を請求することができる。
以上
本旨外要件
住 所  東京都○○区○○町○丁目○番○号
職 業  会社員
貸 主  ○○○○ 印
昭和○年○月○日生
上記の者は運転免許証を提出させてその人違いでないことを証明させた。
住 所  東京都○○区○○町○丁目○番○号
職 業  会社員
借 主  ×××× 印
昭和○年○月○日生
上記の者は印鑑証明書を提出させてその人達いでないことを証明させた。
上記列席者に閲覧させたところ、各自その内容の正確なことを承認し、下記に署名・押印する。
○○○○ 印
×××× 印
この証書は、平成拾七年○月○日、本公証役場において作成し、下記に署名・押印する。
東京都○○区○○町○丁目○番○号
東京法務局所属
公証人  ○○○○ 印


この正本は、平成拾七年○月○日、貸主○○○○の請求により下記本職の役場において作成した。
東京法務局所属
公証人  ○○○○ 印

 

有償の場合と無償の場合で保管義務などが違う

寄託も委任と同じように有償の場合と無償の場合とがあり有償寄託では寄託報酬額を定める必要があります。ただ、受寄者が商人(会社)でその物を預かることがその営業の範囲内の行為であれば報酬額を定めていなくても相当の報酬を請求することができます。また、受託者の保管責任も有償か無償かで異なり、有償寄託の場合受寄者は善良な管理者の注意義務(当該職業又は地位にある人が普通に要求される程度の注意義務)をもって受寄物を保管しなければなりませんが、無償寄託の場合は自己の財産におけるのと同一の注意義務(自分の物を保管しているのと同程度の注意義務)で足りることとされています。なお、寄託契約には、受寄者が受寄物を消費して同種、同等、同量の物を返還することを予定した消費寄託と呼ばれるものがあります。銀行預金などは金銭の消費寄託であると考えられています。