駐車場賃貸借契約公正証書

駐車場賃貸借契約とは

駐車場賃貸借契約には、建物所有を目的とするものではないため、借地借家法の適用はありません。そのため、賃借人の立場は基本的に弱いものとならざるを得ません。たとえば、賃貸人の解約申入れに正当事由は必要なく、理由のいかんにかかわらず、賃貸人は契約条項か民法の規定(第617条)に従い解約の申入れをすることができます。本文例では、第8条がこれを定めており、少なくとも3か月前の予告が必要です。

土地賃貸借契約公正証書

本公証人は、当事者の嘱託により、その法律行為に関する陳述の趣旨を縁取し、この証書を作成する。

賃貸人○○事業株式会社(以下「甲」という)と賃借人△△産
業株式会社(以下「乙」という)は、次のとおり、駐車場賃貸借
契約を締結した。
第1条(本契約の目的)本契約は、甲が乙に対し、甲が所有権を
有する土地における下記駐車場(以下「本件駐車場」という)
を自動車台数2台の保管場所として使用することを目的とする。
第2条(双方合意)本契約において、前条の目的により、本件駐
車場を甲は賃貸し、乙がこれを借り受けることを双方がここに
合意した。

(駐車場の表示)
住 所    東京都○○区○○町○○丁目○番地
名 称    ○○駐車場
駐車位置番号 ○○番 ○○番
第3条(本契約有効期間)本契約の契約有効期間は、本契約成立
の日から2年間とする。
第4条(賃料とその支払い)賃料は一か月金○万円とし、乙が、
甲の銀行口座に振込送金して行なうこととする。ただし、乙が
甲に持参することを妨げない。
2 賃料は、毎月末日限り翌月分を支払うこととする。
第5条(敷金)甲は、乙から、本契約成立時において、敷金、金
○○万円(月額賃料の2か月分)を受領することとする。
2 甲は、本契約終了後、乙が本年駐車場を完全に明け渡した後、
甲に対する乙の未払債務の弁済敷金を充当し、なお残額が存す
る場合に限り、その残額を乙に対し償還するものとする。
3 敷金には利息を付さない。
第6条(賃借人の善管注意義務)乙は甲の定めた管理規則に従っ
て、善良なる管理者の注意をもって、本件駐車場を使用しなけ
ればならない。
第7条(賃貸人の免責事由)甲は、その責めに帰すべからざる事
由、その他の不可抗力において、駐車場にある乙の自動車に何
らかの損害が生じたとしても、これについて何ら責任を負わな
いものとする。
第8条(契約解除)甲乙は、少なくとも3か月前の予告をもって、
この契約を解除することができる。
2 前項の場合においては、乙は予告に代え、3か月分の賃料相
当額を甲に支払って即時に解除することができる。
3 乙が本契約条項の一に違反したときは、甲は何らの催告を
要せず、直ちに本契約を解除することができる。
第9条(原状回復義務)本契約が終了後、乙は、直ちに自動車を
移動し、かつ残留品を撤去して本件駐車場を原状に復してこれ
を甲に返還することとする。
2 前条の場合において、その引き上げに遅滞あるときは、乙は、
甲に対し契約終了の日の翌日から原状回復の完了に至るまで、
1日につき金○○○○円の損害金を支払わなければならない。
第10条(合意管轄)甲乙双方は、本契約に関し、紛争が生じた場
合は、甲の住所地を管轄する裁判所を第一審裁判所とすること
に合意する。
第11条(協議)本契約において定めのない事項は、甲乙双方が協
議の上、別途、定めることとする。
以上
本旨外要件
住 所  東京都○○区○○町○丁目○番○号
職 業  会社員
貸 主  ○○○○ 印
昭和○年○月○日生
上記の者は運転免許証を提出させてその人違いでないことを証明させた。
住 所  東京都○○区○○町○丁目○番○号
職 業  会社員
借 主  ×××× 印
昭和○年○月○日生
上記の者は印鑑証明書を提出させてその人達いでないことを証明させた。
上記列席者に閲覧させたところ、各自その内容の正確なことを承認し、下記に署名・押印する。
○○○○ 印
×××× 印
この証書は、平成拾七年○月○日、本公証役場において作成し、下記に署名・押印する。
東京都○○区○○町○丁目○番○号
東京法務局所属
公証人  ○○○○ 印


この正本は、平成拾七年○月○日、貸主○○○○の請求により下記本職の役場において作成した。
東京法務局所属
公証人  ○○○○ 印

使用車両も制限される場合もある

駐車場契約には、土地全体を駐車場として賃貸する場合と一区画ごとに賃貸する場合があります。通常は使用車両も制限する事もあるようです。使用車両を制限する場合には、第1条の契約の目的の記のところに、①車両名、②車両番号、③車両所有者名の欄を設けます。賃借人は、賃料を払う事はもちろんですが、賃貸人の定めた管理規則に従って、善良なる管理者の注意をもって駐車場を使用しなければなりません。ここでいう、「善良なる管理者」とは、職業や社会経済的地位に応じて要求される程度の注意義務をいいます。また、第7条の免責条項は、自動車荒しなど、不測の事態に対処するためのものです。契約終了後は、自動車を移動し、残留品を撤去して賃借した駐車場を原状に復して賃貸人に返還しなければなりません。これを原状回復義務といいます。

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