不動産売却委任契約公正証書

不動産売却委任契約とは

委任とは、当事者の一方が相手方に対して法律行為をなすことを委託し、相手方がこれを承諾することによって成立する契約(これを諾成契約といいます)です。委任契約には有償のものと、無償のものとがありますが、一般には文例のように委任者が受任者に対して報酬を支払うこととするものが多いといえます。不動産の売却委任では、委任報酬を第5条のように売買代金の何パーセントと定めることもありますが、土地の時価などから算出した最低売渡価額を定めておくのが無難でしょう。

不動産売却委任契約公正証書

本公証人は、当事者の嘱託により、その法律行為に関する陳述の趣旨を縁取し、この証書を作成する。

委任者○○○○(以下「甲」という)と受任者××××(以下
「乙」という)は、甲の所有する第2条に表示する宅地および建
物(以下「本件不動産」という)の売却に関して、以下の内容の
不動産売却委任契約を締結した。
第1条(本契約の目的)甲は乙に対し、本件不動産の売却および
売却に必要な事務、交渉等の処理を委託し、乙はこれを受託す
ることを本契約の目的とする。
第2条(本件不動産の表示)本契約の対象である本件不動産の内
容は以下のとおりである。
<物件の表示>
1宅地の表示
所  在 ○○県○○市○○区○○町○丁目
地  番 ○番
地  目 宅地
地  積 ○㎡
2建物の表示
所  在 ○○県○○市○○区○○町○丁目
家屋番号 ○番
種 類  ○○
構 造  ○○
床面積  ○㎡
第3条(乙の事務処理報告事項)乙は前条の事務処理を、善良な
る管理者の注意をもって、誠実に行わなければならない。
2 乙は甲に対し、前条の事務処理の経過を、毎月1回、定期的
に報告することを要する。
3 前項につき、新たな買受け希望者が現れたときは、その都度
報告を行うこととする。
第4条(売却委任に関しての方法)乙は、本件不動産の売買契約
を、代金金○○○○○円以上にて締結させるように努力しなけ
ればならない。
2 乙は、本件不動産の売却交渉を、代金金○○○○○円以下で
行ってはならない。また、売買代金の決定には甲の承諾を得な
くてはならない。
第5条(報酬)甲は乙に対し、本件不動産の売買契約が成立した
ときは、以下に示すものを報酬としてこれを売買契約で定めら
れた売買代金支払時に支払う。
売買代金の○%
第6条(費用の前払い)乙が第2条の事務処理に必要な費用が生
じたときは、甲は乙に対し、そのつど乙の請求によりこれを支
払う。
第7条(復代理)乙は、必要に応じ、その責任において復代理人
を選任することができる。
2 復代理人については、民法の規定に従って運用する。
第8条(協議)本契約は、民法、その他の法令、慣習に従うこと
とし、本契約条項に定めのない事項は甲乙双方が協議してこれを
定める。
以上
本旨外要件
住 所  東京都○○区○○町○丁目○番○号
職 業  会社員
貸 主  ○○○○ 印
昭和○年○月○日生
上記の者は運転免許証を提出させてその人違いでないことを証明させた。
住 所  東京都○○区○○町○丁目○番○号
職 業  会社員
借 主  ×××× 印
昭和○年○月○日生
上記の者は印鑑証明書を提出させてその人達いでないことを証明させた。
上記列席者に閲覧させたところ、各自その内容の正確なことを承認し、下記に署名・押印する。
○○○○ 印
×××× 印
この証書は、平成拾七年○月○日、本公証役場において作成し、下記に署名・押印する。
東京都○○区○○町○丁目○番○号
東京法務局所属
公証人  ○○○○ 印


この正本は、平成拾七年○月○日、貸主○○○○の請求により下記本職の役場において作成した。
東京法務局所属
公証人  ○○○○ 印

委任者が受任者に対して報酬を支払う有償委任が一般的

委任契約では土地の売買契約が成立する前で委任者又は受任者が契約を続けたくなければ、いつでも相手方にその旨を通告して契約を解除することも可能です。もっとも、この点について特段の取り決めが存在するならばこのような契約を契約書に明記しておくべきです。また、契約解除によって相手方に生じた損害は補償しなければならず、すでに売買契約が成立した場合にはこれを白紙に戻すことはできません。ちなみに、委任を受けた仕事に費用がかかる場合は受任者から請求があればその費用を前払いしなければならず、また受任者が必要な費用を出したときは、委任者はその支出の日以後の法定利息を付して償還しなければなりません。

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