建築請負契約の簡易工事請負契約公正証書

建築請負契約とは

請負人が請け負った仕事を完成することを約束し、注文者が仕事の結果に対して報酬を与えることを約束する契約です。商品の加工寄託、製作物の供給、物品の運送なども一種の請負ですが、本項では、最も典型的な建設業者による建設工事請負をとり上げます。

工事請負契約書公正証書

本公証人は、当事者の嘱託により、その法律行為に関する陳述の趣旨を縁取し、この証書を作成する。

鈴木一郎(以下「甲」という)を注文者とし、有限会社佐藤工
務店(以下「乙」という)を請負人として、注文者・請負人間に
おいて、次のとおり建築請負契約を締結した。
第1条(本契約の目的)乙は、甲に対し、下記の建物の建築工事
を請負い、これを完成することを約し、甲は、これに対し報酬
を支払うことを約するをもって、契約の目的とする。

工事場所  東京都○○区○○町○丁目○番○号
工事用地  宅地
工事面積  ○○平方メートル
エ事内容  木造亜鉛メッキ銅板瓦葺2階建ての建築工事の
一切
2 設計仕様は別紙のとおりとする。
第2条(本請負契約における工期)工期は以下のとおりとする。
着 手  本契約成立の日から○○日以内
完 成  着手の日から○○日以内
引 渡  完成の日から○○日以内
第3条(所有権)第1条の物件の所有権は、甲が有し、引渡しと
同時に乙に移転することとする。
第4条(請負代金)請負代金の総額は金○○万円(消費税○○○
○円)とし、甲は、乙に対し、下記事由により、分割して支払
うものとする。
契約成立の日
工事完成引渡時
金○○万円(うち消費税○○○○円)
残金○○万円(うち消費税○○○○円)
以上
本旨外要件
住 所  東京都○○区○○町○丁目○番○号
職 業  会社員
貸 主  ○○○○ 印
昭和○年○月○日生
上記の者は運転免許証を提出させてその人違いでないことを証明させた。
住 所  東京都○○区○○町○丁目○番○号
職 業  会社員
借 主  ×××× 印
昭和○年○月○日生
上記の者は印鑑証明書を提出させてその人達いでないことを証明させた。
上記列席者に閲覧させたところ、各自その内容の正確なことを承認し、下記に署名・押印する。
○○○○ 印
×××× 印
この証書は、平成拾七年○月○日、本公証役場において作成し、下記に署名・押印する。
東京都○○区○○町○丁目○番○号
東京法務局所属
公証人  ○○○○ 印


この正本は、平成拾七年○月○日、貸主○○○○の請求により下記本職の役場において作成した。
東京法務局所属
公証人  ○○○○ 印

報酬の支払条項をきちんとしておくこと

建設業法は、建設工事請負に関する契約条件を書面で明らかにするよう定めています(建設業法第19条)が、それは紛争予防のためであって、書面にしなくても、当事者の合意があれば契約は有効といえます。請負契約書には次の①②の記載があれば契約書として最低限の要件を充足していることになりますが、建設請負契約の締結に先立ち、③と④の調査も必要になります。①請負工事の内容、②請負代金の支払と工事の完成引渡時期、③請負人の信用調査、選定、④建築制限の調査、確認。②に関して補足すれば、完成した物の引渡しを要するときはその引渡しとの同時履行が原則なので、請負人は、それまで無報酬で仕事をしなければならなくなります。ですから、文例第4条のように分割払いの取り決めをしておくことが必要になります。

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