動産使用貸借契約公正証書

動産使用貸借契約とは

使用貸借契約とは、借主がある物を無償で借りて借主がこれを使用・収益して後に返還する契約をいいます。貸主が、「ただで借主に物を使わせる」、という点がポイントです。他人の財産を利用するには、対価を支払うのが当り前になっています。その意味では、使用貸借は偶然的・例外的なものにすぎず、ビジネスではあまり頻繁に利用されていないといってよいでしょう。使用貸借は、貸主の好意にもとづく貸借関係で、実際には、親族間とか友人・知人間など、特別の関係にある者の間で利用されるものといえます。ビジネスで使われる可能性がある場合としては、土地や建物の使用貸借契約を結ぶ場合、陳列ケース(動産)などを貸借するような場合があります。

動産使用貸借契約公正証書

本公証人は、当事者の嘱託により、その法律行為に関する陳述の趣旨を縁取し、この証書を作成する。

貸主○○○○(以下「甲」という)と借主○○○○(以下「乙」
という)は、甲が所有する後記物件表示に記載する動産(以下
「本件動産」という)において、以下のとおり、使用貸借契約を
締結したことをここに示す。なお、本契約による使用借権を「本
件使用借権」という。
第1条(本契約の内容)本契約は、甲が乙に対し、本契約に基づ
き、本件動産を無償にて使用させ、これを乙に引き渡すことを
目的とする。
第2条(本契約の対象物)甲は、乙に対し、以下にあげる動産を
提供することとする。
本件物権の表示 ○○○○○○
第3条(本件動産の使用目的)乙は、本件動産を○○○○として
のみ使用するものとする。それ以外の用途に使用してはならな
い。
第4条(本件動産の使用方法)乙は、本件動産を使用するにつき、
甲の指示により、通常の用法に従って、誠実にこれを扱わなけ
ればならない。
第5条(本件契約の存続期間)本件使用貸借権の存続期間は、平
成○○年○月○日から平成○○年○月○日までの○年間とす
る。
2 ただし、存続期間満了前に、甲に本件動産を使用する必要が
生じた場合には、甲は1か月前に乙に予告することにより、本
契約を解除することができる。
第6条(使用場所)乙は、甲の定める場所において、本件動産を
使用しなければならない。
第7条(使用借権の譲渡・転貸)乙は、いかなる名義においても、
第三者に本件使用借権を譲渡し、または本件動産を転貸しては
ならない。
第8条(契約の解除)乙が、本契約の規定の一に違反した場合は、
甲は、催告なくして直ちに本契約を解除することができる。
第9条(修繕費用の負担)本件動産が故障または破損等したため、
修繕が必要となった場合は、乙は甲に対し遅滞なく連絡するこ
とを要す。
2 乙は、自己の費用をもってこれを修繕するものとする。
3 ただし、甲が修繕を為す者を指定した場合は、これに従う。
第10条(本件動産の返還)乙は、本件契約終了後直ちに本件動産
を甲に返還するものとする。
2 本件動産の返還が遅延した場合には、乙は遅延期間に応じ、
1日あたり金○○○○円の遅延損害金を甲に支払わなければな
らない。
第11条(損害賠償)契約当事者において、本契約の一に違反した
行為あると認められる場合には、それによって生じた損害の賠
償を請求することができる。
第12条(合意管轄)本契約上の一切の紛争は、甲の住所地を管轄
する裁判所を第一審裁判所とすることに、甲乙双方がここに合
意する。
第13条(協議)本契約に定めのない事項については、甲および乙
は、民法その他の法令に従い双方協議し、解決するものとする。
以上
本旨外要件
住 所  東京都○○区○○町○丁目○番○号
職 業  会社員
貸 主  ○○○○ 印
昭和○年○月○日生
上記の者は運転免許証を提出させてその人違いでないことを証明させた。
住 所  東京都○○区○○町○丁目○番○号
職 業  会社員
借 主  ×××× 印
昭和○年○月○日生
上記の者は印鑑証明書を提出させてその人達いでないことを証明させた。
上記列席者に閲覧させたところ、各自その内容の正確なことを承認し、下記に署名・押印する。
○○○○ 印
×××× 印
この証書は、平成拾七年○月○日、本公証役場において作成し、下記に署名・押印する。
東京都○○区○○町○丁目○番○号
東京法務局所属
公証人  ○○○○ 印


この正本は、平成拾七年○月○日、貸主○○○○の請求により下記本職の役場において作成した。
東京法務局所属
公証人  ○○○○ 印

使用目的と貸借期間をしっかり定めておく必要がある

契約書をつくる際には、①使用目的(使用貸借であることを明記)、②期間をきちんと定めておくことが必要です。期間の定めがない場合には貸主はいつでも返還請求できることになっています(民法第597条第1頂)。なお、①禁止事項を明示しておくこと、②無催告解除をするための特約を規定しておくこと、③明渡しの際の方法、残置物の処理などを明確にしておくこと、④契約期間を過ぎた場合の損害金などについても規定しておくとよいでしょう。

スポンサーリンク