借地契約の公正証書の作り方

借地契約とは何か

借地契約とは、読んで字のごとく、土地を借りる契約です。契約上の分類では、民法で規定している賃貸借契約または地上権設定契約となります。ただ、賃貸借契約または地上権設定契約とはいっても、民法の規定がすべてそのまま適用されることにはなりません。土地は資産としての価値が高く、さまざまな用途に使用されます。公共性も高いので、特別法によって各種の規制が施されています。土地に関して取引をするときには、その点に十分な配慮が必要になります。建物所有を目的とする土地の賃貸借や地上権設定契約をする場合には、借地借家法が適用されます。また、農地として利用する場合には、農地法の適用があります。建物所有を目的として土地を利用する者にとって、その土地は生活や仕事の上で不可欠なものです。そのため、借家契約の場合と同様に、借地借家法によって、借地人に手厚い保護が与えられています。また、農地については、国の農業政策との関係があるため、農地法によって特別な配慮がなされています。この項目では、農地に関する問題は取り扱わずに、建物所有を目的とする借地契約(土地賃貸借と地上権設定契約)について解説していこうと思います。

借地契約での一般的な注意点とは

借地契約では、その土地をどのような目的で使用するのかによって適用される法律も異なってきます。単に一時的に使用する目的であったり、建物所有ではなく、駐車場などに使用するためであれば、借地借家法は適用されません。民法の規定に従うことになります。建物所有の目的であれば、借地借家法が適用されて、民法はそれに抵触しない範囲で適用されることになります。多少複雑ではありますが、これらの適用関係に留意の上、契約内容を決定する必要があります。特に、以下の点について、十分に念頭に置いておいてください。

①目的

まず、借地契約では、その目的によって適用される法律が異なってきます。その結果、契約内容も大きく左右されることになります。ですから、借地契約を結ぶ場合には、何をおいても目的を明確にしておくことが第一です。契約書では、通常、「第1条(目的)」というタイトルに続けて記載します。特に、一時使用目的の場合には、その一時使用目的の内容まで具体的に明らかにしておくべきです。「隣地マンション建設のための資材保管のため」とか、「○○展覧会開催期間の駐車場のため」などといった具合です。もし、プレハブなどの仮設建物を設ける場合には、それ以外の建物の建築は認めないことも明記しておくべきでしょう。地主の知らない間に、本格的な建物が建っていたり、別の目的で使用されてしまっていて、トラブルに発展するケースは意外にあります。

②建物所有目的の場合の契約期間

建物所有を目的とする場合には、借地借家法が適用されます。この場合には、借地人にとって生活や仕事の大切な基盤となるため、かなり長期にわたる契約期間が保証されることになります。まず、契約の締結にあたって、30年未満の契約期間を定めることはできません。逆に、30年以上の契約期間を定めることは許されています。さらに、期間が満了したとしても、借地上に建物があると、それまでの契約と同一の条件で、契約が更新されたものとみなされることになっています。もし、当事者で契約を更新する場合には、最初の更新では20年、それ以降の更新では10年を下回る期間を定めることはできません。このように建物所有目的の借地契約は、非常に長期になるので、地主・借地人の双方にわたって、次の世代に契約関係が引き継がれることになります。それを考えれば、公正証書を作成しておいて、契約内容を明確にしておくことは、重要なことと言えるでしょう。

③更新料などの金銭の受け渡しについて

借地契約では、契約更新の際に、よく「更新料」などの名目で金銭の受け渡しがなされています。これは、法律上特に規定されているわけではなく、慣行的に行われているものです。この種の金銭の法的性格については、さまざまな意見があります。更新にあたってのいわゆる「ハンコ代」とか、いろいろな意義づけがなされています。いずれにしても、契約内容として明確に規定しておくことが必要です。更新の際に、更新料をめぐってトラブルになるケースもあるからです。

公正証書作成のために用意しておくもの

本人であることを証明するための書類や、法人の場合の商業登記簿謄本・資格証明書、代理人に依頼した場合の委任状・印鑑証明書など、公正証書作成の嘱託一般に必要な書類が必要です。取引の目的となる土地を正確に表示する必要があるので、法務局(登記所)に行き、目的土地についての不動産登記簿謄本を用意しておくとよいでしょう。また、土地の一部だけを賃貸借する場合には、その部分を正確に示す図面を作成しておく必要があります。

スポンサーリンク