本人であることを証明するには

印鑑証明書などを提出すればよい

公正証書の作成を嘱託するのは、公証人に対して作成を嘱託する本人、または、本人から委任を受けた代理人でなければなりません。公正証書が持つ効力の強さからしても、これらが名義通りの本人であることはもっとも重要です。そこで、公証人法では、公証人は、嘱託人またはその代理人が本人であることを審査し、確認することを要求しています。

もちろん、嘱託人や代理人が、前々から公証人とは顔なじみであれば、何の問題もありません。しかし、東京などの大都市で、公証人と嘱託人や代理人が知り合いであることは、なかなかないことです。そのため、本人であることを証明する客観的な証拠を、公証人に対して提出することによって、本人性を確認することにしています。公証人法では、官公署(役所)の作成した印鑑証明書の提出、または、その他これに準ずべき確実な方法によって、証明すると規定しています。この点について、以下、説明していきます。

印鑑証明書

本人性の証明には、印鑑証明書の提出が予定されています。印鑑証明書は、公正証書の嘱託に限らず、あらゆるケースで本人性の確認のために使用されています。印鑑証明書は、いわゆる実印の陰影を市区町村役場に登録しておいて(印鑑登録)、必要に応じて、その証明をしてもらう文書です。交付手続きには本人の所持しているカードが必要なので、本人であることの確認には最も確実な方法と言えるでしょう。いつ交付されたものでもよいわけではなく、交付後 3カ月以内を有効期間としています。

その他の方法

ほとんどの人が印鑑登録をしているでしょうから、印鑑証明書による証明が最も無難ですが、外国人であるため印鑑登録をしていなかったり、急いでいるケースなどでは、ほかの方法でも本人性の確認はできます。印鑑証明書の代わりに、運転免許証、パスポート、外国人登録証を使用する方法があります。ただ、これらの文書による証明は、公証役場によっては認められておらず、あくまで印鑑証明書を要求するところもあるので、注意が必要でしょう。

緊急のケース

印鑑証明書は、印鑑登録をしている市区町村役場に行って、交付の手続きをして入手します。しかし、何かの期限が迫っていたりして、緊急に公正証書の作成を嘱託しなければならないケースも十分に考えられます。そのような、緊急の必要性があり、なおかつ、嘱託人が人違いである照明を早急にできない場合には、とりあえず公正証書を作成しておいて、その後三日以内に本人性の確認を後で行うことも許されています。

これを「追完」といいます。問題は、具体的にどのようなケースが、緊急(法律の用語では「急迫」といいます)といえるかですが、公証人から見て客観的な理由がなければなりません。ただ、公正証書が作成されて、後から振り返ってみて客観的に緊急な理由とは言えなくても、本人であることの確認が追完されていれば、公正証書自体は有効です。

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