生前贈与は110万円より111万円で

「110万円までは非課税」の落とし穴

親が子に対して毎年110万円ずつ贈与し、子供名義の預金口座に貯めておくといった話しがあります。これは、贈与税の基礎控除が110万円まで認められているためです。ですが、いざ子供がマイホームを購入するときや、相続をするときに、この預金を自分の貯金だと主張しても、多くの場合、認められません。「子供の預金として実態が伴っていない」という理由で、税務署が、子供の財産ではなく親の相続財産と認定するからです。税務署に、自分の預金(貯金)であると認めてもらうには、次のような「実態」が必要です。

  • ①贈与契約書を作成していること
  • ②預金(貯金)通帳や印鑑・カード・証書等を子供が自分の責任で所有・管理していること
  • ③親名義と異なる印鑑を使っていること
  • ④贈与税の申告と納税を子供が自分でしていること

税務署が贈与であると判断する基準は、贈与者(親)と受贈者(子供)が明確な「贈与をした」「贈与を受けた」という意識を持っていたかです。これを証明するには、双方の意思による贈与であることを示す、契約書が必要になります。贈与契約は口頭でも成立しますが、少なくとも贈与の内容は明確に記録しておくべきです。また、口座振り込みなどにより、贈与契約書に基づいてお金が移動しているということがわかるようにしておかなければなりません。

贈与税を払えば証拠は残る

贈与の実態を明確に証明するには、贈与税の申告書を提出するのが一番です。そのため、110万円を超える贈与、すなわち111万円の贈与をして、110万円の基礎控除を超えた1万円に対する贈与税1000円を支払うのも一つの方法です。確実に贈与をした実態の報告になるからです。ただし、実際に現金の異動がなければ、申告があっても子供の預金とは認められないので注意してください。111万円でも、年数を重なれば大きな相続税対策になります。また、子供の頃のお年玉など、親が貯めておいた金は、常識的な額、すなわち5~20歳くらいまでの年数に数万円をかけ、プラス利息程度の額であれば、相続財産とはなりません。

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