遺産を与えたくない相続人がいるとき

遺言で相続人から廃除することを表明し、相続権を奪うことができる

遺留分を有する推定相続人のなかに、遺産を渡したくない者がいるときの対処法として、「相続人の廃除」という制度があります。廃除された相続人は、相続資格を失い、遺留分を含めたすべての財産を相続できなくなります。

相続人の廃除は、被相続人が生前に家庭裁判所へ請求する方法と、遺言による方法とがあります。

遺言による廃除では、遺言者の死亡後に遺言執行者が家庭裁判所に廃除の請求をすることになるため、廃除の旨を遺言書に記載すると同時に、遺言執行者も指定しておく必要があります。

相続人を廃除するためには、

被相続人に対する虐待
被相続人に対する重大な侮辱
著しい非行

といった廃除事由が必要です。その廃除事由の有無を家庭裁判所が審理し、相続人廃除が正当であると認められると、廃除は実現します。

なお、生前にした廃除を遺言で取り消す場合には、「○○の相続人廃除の取り消しをする」との意思を表明し、遺言執行者が家庭裁判所へ取り消しの申し立てをします。

また、遺言による廃除を取り消したい場合には、その遺言書を破棄するか、その旨を記載した新たな遺言書を作成します。

遺 言 書

遺言者○○○○は本遺言書により次のとおり遺言する。

一、遺言者の妻○○○○に次の財産を相続させる。
××県××市××町×丁目×番
宅地 ×××・××平方メートル
ニ、その他の財産はすべて長女○○○○に相続させる。
三、長男○○○○(昭和○年○月○日生)を相続人から廃除する。
同人は、賭博による多額の借財をし、遺言者がそれを弁済してきた
にもかかわらず、遺言者の留守中に遺言者の財産を無断で持ち出
すなどの非行を重ねている。素行を注意すると、遺言者に暴行を加
えるなどし、遺言者は再三にわたり怪我をさせられている。遺言者
に対する長年にわたる暴言、暴行等の虐待、侮辱、非行は、相続
人廃除の正当な理由に当たる。
四、この遺言の遺言執行者として左の者を指定する。
××県××市××町××丁目×番×号△△ビル
弁護士 ○○○○

平成○年○月○日

      ××県××市××町×丁目×番×号
遺言者○○○○印
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