青色申告承認申請・減価償却選択の手続きをする

事業の承継には新たな届出が必要

被相続人が亡くなり、今まで家業を手伝っていた長男が事業を継いだ場合、一見すると、円滑に事業承継がなされたように見えます。しかし、所得税法等では、1人の確定申告者が消滅し、新たに1人の確定申告者が誕生したという取り扱いになります。そのため被相続人の事業上の特例(青色申告の特例、減価償却方法の選択など)は承継されず、新たに事業を開始した相続人がすべての特例の選択届出書を出し直さなければなりません。所得税の届出書には提出期限があります。速やかに、手続きを行いましょう。

所得税の青色申告承認申請書を提出する

青色申告者である被相続人の事業を承継したことにより、新たに事業を開始した相続人の「青色申告承認申請書」の提出期限は、次表のようになります。提出期限は、相続の開始日によって異なり、特に9月1日から12月31日までに相続した人は期限が短いので注意が必要です。

白色申告から青色申告への変更手続きは2ヵ月以内に行う

白色申告者(青色申告を行わない申告者)である被相続人の事業を承継して、新たに事業を開始する相続人が青色申告を選択する場合、承認申請書の提出期限は相続開始の日から2ヵ月以内になります。ただし、1月15日までに相続が発生した場合には、相続開始の年の3月15日が提出期限です。

事業用の建物を承継したときに注意すること

所得税法における減価償却の方法は、通常、定額法で計算することになっています。しかし、届出を行うことによって定率法で計算することができます。この場合、被相続人が選択適用している定率法を事業承継者が、そのまま承継することはできません。相続人である事業承継者が、新たに事業を開始したものとされ、開業翌年の3月15日までに「減価償却方法の届出書」を提出しなければなりません。

なお、被相続人が生前の事業所得の減価償却費の計算上、事業用の建物について定率法(平成10年3月31日以前の取得までは可能。現在は建物に対しては定額法しか選択することができない)を選択していた場合は、その事業用建物を相続人が取得すると、相続による取得が新たにその建物を取得した扱いになるので、定額法しか選択することはできません。

スポンサーリンク