ローン返済・抵当権の抹消手続きをする

名義変更をして債務を引き継ぐ

相続が発生すると、相続人は、不動産などのプラスの資産だけではく、住宅ローンなどのマイナスの資産(債務)も引き継ぎます。金銭債務は、遺産分割の対象にはならず、原則的に法定相続人が法定相続分に基づいて支払い義務を負います。ただし、相続人の間で債務を引き継ぐ相続人を決めても、債務者である金融機関が認めない限り、特定の相続人に支払い義務を承継させることはできません。現実的に債務の返済をすることが難しい場合には、資産を売却するなどしてローンを返済する必要があります。ローンを返済するには債務をいったん相続人の名義に変更します。名義変更にあたって必要な書類は次のとおりです。

【イ】遺産分割協議書または遺言書
【口】被相続人の除籍謄本
【ハ】全相続人の戸籍謄本
【二】全相続人の印鑑証明書

除籍・戸籍謄本は、窓口によっては原本を戻してもらえるところもあります。事前に確認しておきましょう。なお、印鑑証明書は原本を返却してもらえません。印鑑証明書には発行期限が定められています。通常3ヵ月以内です。除籍・戸籍謄本は期限を指定されることは通常ありませんが、取扱いが異なる可能性があります。事前に確認してください。

抵当権抹消登記の手続きを行う

ローンを返済したら、抵当権抹消の登記を行います。抵当権抹消は、ローンを返済したら自動的に行われるものではなく、債務者が債権者(金融機関)から必要書類の交付を受け、抹消登記の手続きを行うものです。通常、返済が完了すると、抵当権者から次のような書類が債務者に渡されます。

【イ】抵当権を設定したときの登記済証(抵当権設定契約書)
【口】金融機関等からの抵当権者の抹消登記申請の委任状
【ハ】抵当権者の資格証明書(代表者事項証明書)
有効期間は発行日から3ヵ月以内です。
【二】解除証書等(ある場合とない場合があり、なくても登記はできます)

住宅ローンには団体信用保険がかけられている

団体信用保険とは、主に住宅ローンの支払い途中で、被保険者が病気や事故で死亡または高度障害になった場合、ローンの残債を肩代わりしてくれるもので、通称「団信」と呼ばれています。万が一のとき、残された相続人が債務を引き継ぐことはなく、住宅が相続財産として残るので安心です。公的ローンである、住宅金融支援機構(フラット35)などの利用時には、「公庫団体信用生命保険(機構団体信用生命保険)」が利用可能になります。銀行等の民間ローンでは、団体信用保険は原則として強制加入となっています。通常、保険料は金利のなかに含まれます。

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