過失相殺の具体的な判断の仕方

過失相殺の基準表の仕組みは

現在、過失相殺については、東京地裁民事27部(交通部)編の「民事訴訟における過失相殺率の認定基準」、日弁連交通事故相談センターの認定基準(21訂版では掲載がありませんが 20訂版にあり)、東京三弁護士会の認定基準が、公表されています。どの基準表にも共通しているのは、過失相殺率(過失割合)を基本要素と修正要素とに分けて取り上げているところです。基本要素は道路交通法の優先権の有無によって判断されます。道路交通法に違反した者は、過失が大きいと判断されます。それに次いで基本要素の基になるのは、「優者危険負担の原則」といわれるものです。車と人であれば車が優者ですから危険負担が大となります。同じ人でも、老人や幼児は小さくなります。この他にも、具体的な状況も大切な要素となります。スピード違反が大きければ過失も大きくなりますし、道路の幅員の大小もこれに影響してきますし、昼間か夜間かといった明暗も判断裁量となります。これらの組み合わせによって、過失相殺基準表は構成されています。

修正要素の言葉の意味は

基準表では、事故の態様ごとに事故の当事者の基本の過失相殺率が示してあります。しかし、実際の過失割合の判断は事故状況に応じた修正を加味して判断されます。修正要素には、加算要素と減算要素とがあります。基準表では、特殊な使い方をしている用語がありますので簡単に説明しておきます。

夜間

午後9時~10時までのことです。歩行者の通行が予想されない午前2時~3時の事故では歩行者の過失は大きくなります。

幹線道路

国道や一部の県道のように、車が高速で走行するのが通例で、歩車道の区別があり、幅員が14メートル以上ある道路をいいます。

幼児・児童

幼児とは6歳未満、児童とは6歳以上13歳未満をいいます。

老人

ほぼ65歳以上の者をいいます。

重過失

居眠り運転、酒酔い運転、無免許運転、25キロメートル以上の速度違反など悪質な運転のことです。

著しい過失

重過失よりやや程度の低い過失。脇見運転、酒気帯び運転、著しいハンドルまたはブレーキ操作の不適切などをいいます。

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