事故の状況と損害を正確に把握する

加害運転者の義務

物損事故が起きたときの加害者がしなければならない義務は、人身事故の場合と同じです。

  1. 現場における危険防止の措置
  2. 警察官への事故報告の義務
  3. 保険会社への通知

中には、物損事故だからといって、警察官に事故発生の報告をしない人もいるようですが、人身事故が発生していないとしても、報告は必要です。物損事故でも違反があれば、交通切符を切られますが、最近の処遇基準によれば、被害額が少ない場合、当事者間に示談が整い、被害の弁済をすすめた場合には処分はしないことになっています。なお、すでに述べたように物損事故には自賠責保険の適用はなく(着衣損傷などは別)、任意保険の対物保険に加入していないかぎり、加害者は自分で損害の弁償をしなくてはなりませんので、被害の状況・被害者・被害額などをできる限り詳細に確認しておくようにしましょう。また、対物の任意保険に加入している場合には、保険会社に事故報告を直ちにして、その報告に基づいて損害の査定をしてもらいましょう。保険会社に何の報告もしなかったり、査定を受けずに修理したりした場合には、保険金の支払いが受けられない危険性があります。

物損事故の示談の問題点

物損事故だけの場合、人身事故と違い、事故を起こした加害者、被害者双方があまり深刻にならない場合が多いようです。ケガがなくてよかったと安堵するあまり、警察への事故届をしないといった場合もあるでしょう。こうしたことが、以後に大きなトラブルとなることもあります。実は、物損事故の場合、示談の交渉がこじれると厄介なことがあるのです。まず、第一の問題点は、一般に被害額が少ないということです。これが問題となるのは、加害者側の損害賠償の提示額が低いと思っても、示談交渉がまとまらない場合、裁判にかける時間や費用を考えると、提示された示談額で解決するしかないという場合があるからです。第二に、物損事故の場合、人身事故と違い任意保険に加入している場合が少ないということです。加害者が任意保険の対物保険に加入していない場合には、加害者自身が支払わなければならず、金策が必要ということになります。そこで、加害者にお金がないときは、工面してもらうまで待つということになり、最悪の場合は示談は成立しても、示談金が支払われないというケースも考えられます。

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