被害者の収入の証明の仕方

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サラリーマンや公務員の場合は源泉徴収票で

被害者側が必ずしなければならないことは、死亡した被害者の事故当時の収入額を証明することです。この証明ができない場合には、収入がなかったことになり不利になります。死亡した被害者がサラリーマンや公務員の場合には、勤務先から受け取っている年収が基準となります。本給のほか、諸手当、賞与、退職金も含まれます。通常、源泉徴収票で年収の証明をしますが、ない場合は、会社で収入の証明書を作成してもらうことが必要です。定年後の収入については、67歳まで賃金センサスを使って収入を算出した判例や定年退職時の収入の60%を認めた判例があります。退職金については、大企業や公務員の場合には、退職金制度や退職金規定が設けられていますので、退職金差額分(死亡退職で減少した分)が認められます。このような規定がない会社では、通常、退職金の請求は認められません。なお、無職者は、原則として、男子または女子労働者の平均賃金を基礎に算出します。

個人事業主・農業従事者・年少者・主婦の場合

商店経営者、自由業者などの個人事業主の場合には、税務署への確定申告書により収入の証明をします。税務署へ申告した額以上に実際は所得があったという場合には、あらゆる資料を動員して実際の所得額を証明できれば、収入として認められることもあります。また、親子で共同して店を経営していたという場合、所得に対する本人の寄与した割合を掛けて算出します。農業従事者の場合には、税務申告をしている場合には、その申告に基づいて計算する方法、あるいは農業の粗利益に対して経費を1/3として算出した判例があります。農閑期には出稼ぎに行っていたという場合には、その収入を加算してもかまいません。家族で農業をやっていたという場合には、本人の寄与率を出して算出することになります。 幼児や小中学生など働いていない未成年者の場合には、賃金センサスの男女別平均賃金から生活費として50%を控除して、18歳から67歳までの49年間を就労可能年数として、中間利息を控除して逸失利益を算出しています。しかし、男女別の賃金センサスによる平均賃金を用いると女性は男性よりも低いため「男女差別」ではないかと争われていましたが、全労働者の平均賃金を用いた例と女子労働者の平均賃金を用いた例を認め統一されていません(最高裁・平成14年年7月9日決定)。養育費は控除しないというのが判例です。 専業主婦の場合には、実際には収入はないわけですが、家事労働に経済的な価値があるものと認め、女子労働者の賃金センサスによる平均賃金を判例では認めています。パートで働いている主婦については、賃金センサスによる女子の平均賃金よりもパート収入の方が多ければこれによりますが、両方の請求は認められません。

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