葬儀費用・香典返し・墓石・墓地に要した費用

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130~170万円の範囲内で実費が認められる

いずれ人は死ぬものであり、死ねば葬儀をするのが通常であるのに、その費用を交通事故の加害者に負担させるのは疑問との考え方から反対する意見もありますが、直接被害者を死亡させた加害者に、せめて葬儀費用を負担させるのは当然との常識的な世間一般の感情、それに葬儀費用には一種の慰謝料的な性格が含まれているとの考え方から、現在では、加害者に葬儀費用を負担させています。葬儀に要する費用としては、病院からの死体運搬費、火葬費、葬儀屋に支払った費用、自動車賃、お布施などが含まれます。さらに初七日、三十五日、四十九日の読経料、回向料などの法要費も含まれます。 かつては、これに要した費用の領収書等を集めて請求していましたが、現在では定額化が図られ、130万円~170万円の範囲内であれば、これを認めています。なお、自賠責保険では60万円以下であれば、領収書等がなくても認められます。また、香典返しについては、これは他から贈与を受けたもののお返しですから、損害にはなっていないということで、加害者には請求できないとされています。

最近の判例では墓碑建設費を認める例が出てきた

では、死亡した被害者の墓石代や墓地を購入した場合の代金は、損害賠償として認められるのでしょうか。被害者の死亡を契機に墓地を購入し墓石を建てても、将来その一家あるいは子孫全員の霊を祭るために利用されるわけですから、事故との因果関係はないとして墓碑建設費を認めないとした判例もあります。これについて最高裁の判例は、遺族にとっては費用を余儀なくされるという点では、葬儀費用と区別するいわれはないとして、墓碑建設費なども認めるべきであるとの判断を下しました(昭和44年2月28日判決)。では、いくら認めるかですが、これについては被害者の年齢、境遇、家族構成、社会的地位、職業などを考慮して常識的な金銭相当を認めるとしており、個別的に判断するということのようです。 例えば、判例を見てみますと、大阪地裁・平成12年7月25日判決では、葬儀費用、墓石代、追悼関連費など1100万円の請求につき合計で180万円を認め、岡山地裁・平成6年11月24日判決では、墓地永代使用料および管理料63万円余、墓碑・墓石代120万円を認めています。

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