示談交渉する相手と交渉時期を決める

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相続人内部でモメていても対外的には洩らさないこと

相続人が残された妻一人というように単独であれば、誰が示談交渉をするのかは問題になりません。実際は、相続人が一人というケースは稀で、複数いるのが 一般的です。相続人が妻(あるいは夫)と子というケースでは、損害賠償金をめぐっての紛争はあまり起こらないでしょうが、妻と夫の親、妻と夫の兄弟姉妹 が相続人になるという場合には、なかなか一筋縄ではいかないようです。相続人がそれぞれ勝手に、自分に損害賠償金を払ってくれと、主張するような状況で は示談交渉はまとまりません。加害者に足元を見られ、いつまでも放っておかれるのが関の山です。相続が発生すると、だれがどれだけ相続するかは紛争にな りがちです。しかし、このような内部の紛争があっても、これを交渉相手に洩らしてはダメです。対外的には相続人のうちの誰が交渉に当たるかを決めること が先決です。 さて、だれを交渉人にするかということですが、相続人の中には口の達者な人、押しの強い人がいるものです。こういう人が示談交渉には適しているといえま すが、問題はその人について、とかくの噂があり、信用がおけないという場合です。こういう場合には、相続人全員で口座を開いておき、示談交渉がまとまっ て損害賠償金を払ってもらう場合に、その口座に振り込んでもらうようにすることです。そうすれば、預金は相続人全員のハンコがなければ下すことはできま せんので、相続人の内部での話合いができてから預金を下ろし分配すればよいでしょう。

どの時点で、どのようにして示談交渉は始めたらよいか

前にも触れましたが、加害者が刑事事件で起訴か不起訴かが問題になったり、刑事裁判で執行猶予が付くかどうかが焦点になっている場合には、加害者として は一刻も早く示談の開始を望むでしょう。また、死亡したのが一家の支柱であれば、被害者側は経済的にも困ることになりますので、いつまでも示談の開始を 遅らすわけにも行きません。また、何年も放っておくと、消滅時効にかかってしまいます。なくなった方の葬儀が終わり、49日が終わってからというのが、示 談交渉を開始すべき時期として適当だと考えます。 加害者側から示談の話を何も言ってこないときに弁護士の取る方法は、まず「○○の交通事故の損害賠償の件について話合いをしたいので、平成○年○月○日 に当事務所にお越し願いたい」という内容証明郵便を出すことから始めます。電話や手紙ではなく、内容証明郵便で出すと、加害者に誠意があれば、何らかの 返事があるはずです。それによって示談交渉を開始すればよいのです。これに対して、何らかの対応がなければ再度、内容証明郵便で回答を促し、それでも無 視するようであれば、法的な手段を取らざるを得ないでしょう。

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