傷害事故の場合の損害賠償額の支払基準

シェアする

損害賠償額は定型化・定額化されている

傷害事故の損害賠償額は、すでに前述しましたが、定型化・定額化されています。損害賠償額の支払基準としては、弁護士会の基準(日弁連交通事故相談センター・東京三弁護士会交通事故処理委員会)、強制保険の支払基準(傷害の場合には120万円まで)、各損害保険会社作成の任意保険の基準があります。

示談交渉は一定の目安をもってする

損害賠償の交渉は、被害者にとってみれば痛い目にあったのですから、できるだけ多くとってやろうと思う人もいるかもしれません。しかし、交渉事なので、一方的に高額の損害賠償を請求しても、相手は応じてこないでしょう。特に、今日では保険会社が代理人として交渉の場に出てくる場合が多いので、損害賠償額の相場がどうなっているかは事前に調べておく必要があるのです。以下の項では、日弁連交通事故相談センターの支払い基準をもとに、賠償額の算定を表で示しましたので、あなたの場合の賠償額がいくらぐらいになるかを検討してください。

日弁連交通事故相談センターの基準
損害賠償の項目 支払基準(日弁連交通事故相談センター)
積極損害 治療費・入院費 必要かつ相当な範囲で実費全額が認められる。健康保険の利用もできる。

  1. 鍼灸・マッサージ・治療器具・薬品代等は医師の指示がある場合、有効かつ相当な場合に認められる
  2. 温泉治療費は医師の指示がある場合には認められる
  3. 症状固定後の治療費、将来の治療費はその症状の固定後も、症状の内容、程度、治療の内容により症状の悪化を防ぐなどの必要があれば認められる
入通院交通費 原則として実費

  1. タクシー代は相当性(ケガの程度、交通機関の便)があれば認められる
  2. 自家用車の場合は、ガソリン代、高速道路代、駐車場代などの実費
付添看護費
  1. 職業付添人の場合 実費全額
  2. 近親者付添人の場合  入院付添い1日につき5、500円~7、000円。通院付添い(幼児、老人、身体障害者など必要がある場合)、1日につき3、000円~4、000円
将来の付添看護費 原則として、平均余命までの間、職業付添人の場合、実費全額。近親者付添いの場合は1日につき6、500円~8、500円。ただし、介護の必要性の程度・内容により増減されることがある。また、中間利息は控除される。
入院雑費 1日につき1、400円~1、600円
その他の費用
  1. 医師等への謝礼は、社会的に相当な範囲で認められる
義足・車椅子・補聴器・眼鏡など 購入費、処置料などの相当額。

  1. 将来の買替費用は中間利息を控除
その他の費用
  1. 家の出入□、風呂場、トイレなどの設置・改造費、ベッド、イスなどの備付・購入費、自動車の改造費などは実費相当額が認められる
  2. 子供の学習費・保育費(被害者のケガの程度、内容、年齢、家庭の状況などから必要性が認められる場合)実費相当額
弁護士費用 認容額の1割程度
付添看護費 必要かつ相当な範囲で実費全額が認められる。健康保険の利用もできる。
消極損害 休業損害 事故前の収入を基礎として、ケガによる休業で現実に喪失した収入額

  1. 給与所得者
    事故前の現実の給与額(各種手当、賞与含む)を基礎とし、ケガによる欠勤で喪失した給与額、昇給遅延による減収額
    ※有給休暇も休業損害になる
  2. 事業所得者
    (商工業・農林水産業・自由業など個人事業者の場合)原則として事故前年の所得税の確定申告による
  3. 家事従事者
    ケガで家事に従事できなかった期間につき、女子労働者の平均賃金による
  4. 無職者
    失業中の場合には原則として休業損害は生じない
慰謝料 慰謝料 入通院慰謝料表を基準として、上限額と下限額を算出し、その範囲内において妥当な金額とする

  1. 症状が特に重い場合は、上限の2割程度の金額まで加算を考慮
  2. 通院とは、少なくとも週2日程度の通院が行われた場合
  3. 下限の金額 程度の軽い神経症状、軽い打撲、挫傷のみの基準となる
  4. 上限の金額 苦痛や身体の拘束が強い症状の場合

●傷害事故で後遺症がない場合の損害賠償額の算定法
損害賠償額=①積極損害十②消極損害十③慰謝料

日弁連交通事故相談センターの基準

●傷害事故で後遺症がない場合の損害賠償額の算定法
①過失相殺による減額 被害者に事故発生につき過失があると交通事故の
態様ごとに基本的な過失割合と修正要素を一覧表にした『過失割合認定基
準表』により算出した過失割合で損害賠償額が減額される。
 (例)損害賠償額300万円  *被害者に過失なし一一全額  *被害者の過失30%認定一一支払われるのは300万円ではなく、30%減   額された210万円となる
②好意同乗者からの請求 減額されない場合、慰謝料のみ減額する場合、全  損害額から減額する場合の3通りがある。
 *慰謝料から減額一一便乗型、運転者が誘った場合  *全損害額から減額一一共同危険関与型(もっとスピードを土げろなどと             言った場合)
③損益相殺による減額 被害者が交通事故を原因として利益(各種の給付)  を受けた場合、二重取りにならないように、その利得分か損害賠償額から  控除される場合がある。
 *控除対象になるもの  ・受領済の自賠責保険金、政府の自動車損害賠償保障事業給付金  ・既払いの労災・健保・国保・厚生年金等の各種保険の給付金  ・既払いの所得補償保険金  ※後遺障害の場合:過失割合に応じて、2割、3割、5割の減額がある
スポンサーリンク