加害者が事故により死亡した場合は相続人と交渉する

加害運転者以外にも事故の責任を負う者もいる

この問題に入る前に、交通事故がを起こった場合、誰がその損害賠償責任を負うのかという基礎的なことを述べておきましょう。どのような事故の場合でも、その車を運転していた運転手が責任を負うことは言うまでもありません。人身事故については、その車の運行供用者が責任を負います。運行供用者という言葉は、ドイツの学説を輸入したもので、なじみがありませんが、平たく言えば、その車の運行を支配していた者のことです。例えばバスが人をはねて死亡させた事故の場合には、そのバスを所有し、バスを走らせることで利益を得ていたバス会社が運行供用者となります(自動車損害賠償保障法3条)。現在は、人身事故の大半はこの運行供用者責任が問われています。物損事故については、事故運転手の使用者も責任を負います(民法715条)。

加害者死亡の場合には相続人が損害賠償責任を負う

事故を起こした加害者が死亡したという事故の場合には、その車が自家用自動車総合保険に加入していれば、保険会社からくる代理人と交渉することになるでしょう。事故の責任は、その車が自家用車で、使用運転中の事故であれば、損害賠償責任を負うのは、加害者自身です。加害者が死亡した場合、加害者の相続人が損害賠償責任を相続しますので、相続人を相手にすることになります。相続というのは、プラス財産の相続と思われがちですが、借金などのマイナス財産も相続します。ですから、加害者の第一相続人が誰かを調べ、その人と交渉することになります。 例えば、妻と子供がいれば、これが第一相続人です(妻が1/2、残りを子供の数で等分します)。子供がいなければ、妻と加害者の親が相続人です(妻が2/3、残りを親の数で等分します)。親もいなければ妻と加害者の兄弟姉妹が相続人となります(妻が3/4、残りを兄弟姉妹の数で等分します)。兄弟姉妹もいなければ、妻だけが相続人となります。なお、子供が未成年者の場合には、その分は親権者である妻に対して請求することになります。加害車両が加害者の勤務先の車であったり、あるいは業務中の事故であれば、加害者の相続人のほかに、運行供用者である加害者の勤務先の会社も、損害賠償責任を負います。

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