審判による決定に不満なときには異議申立ができる

やむを得ない場合には代理人などでよい

家庭裁判所の審判は、平たく言えば一種の裁判といえましょう。しかし、一般の訴訟とは異なり、家庭裁判所の手続きは非公開とされ、裁判所が相当と認 める者の傍聴が許されるだけです。審判の審理には当然当事者が出頭して、言い分を述べたり、事実を供述したり、意思を表明したりすることになる点は、訴訟 に近いものと言えます。家事審判規則には、「事件の関係者は、自身出頭しなければならない。ただしやむを得ない事由があるときは、代理人を出頭させ、また は補佐人とともに出頭することができる」と規定されています。すなわち審判の手続きには、申立人や相手方などの当事者は、自身が出頭するということが原則 になっているのです。審判は単に本人の真意を確認するだけで済むものでもありません。家庭裁判所が職権で事実関係の調査もしますが、その中には当事者への 尋問があります。これにも本人自身が答えなければなりません。この本人出頭の原則は、審判と調停と双方に適用されます。

調停に代る審判の内容に不満な場合には異議申立てをする

審判は一種の裁判であり、家庭裁判所が一方的に宣言するものですから、当然、審判によって自分に不利な決定を受けた当事者は不服でしょう。調停に代 る審判(離婚審判)は、合意の上で成り立つ調停離婚の「最終段階」と位置づけられています。そのため、これに不服な当事者は、審判の出された日から 2週間以内に異議を申し立てることができ、異議申立てが出された場合には、審判は無効になると定められています。離婚審判に対する異議申立ては、夫婦のど ちらかが「審判に対する異議申立書」に署名・押印し、審判書の謄本を添えて、審判を下した家庭裁判所に提出します。異議申立書にはなぜ異議を申し立てるの かといった具体的な理由を記載する必要はありません。この審判離婚の弱点は、裁判とは異なり、2週間以内に異議申立てが出されれば審判は効力を失い、離婚 が無効となってしまう点です。審判離婚の活用が少ない(平成18年には69件、例年この程度です)理由は、まさに審判に対する異議申立てにあります。審判 が下っても無駄だと考える人が多いのかもしれません。相手と合意するのはイヤだが、裁判所が段を下すのなら仕方がない、訴訟まで持ち込まずにケリをつけた いという人には、審判離婚はいいのではないかと思います。その意味では、当事者の公平を図って下される審判はすぐれた解決方法だと考えます。なお、家事審 判法で定められている乙類審判事項には婚姻、離婚に関連するものとして婚姻費用分担、財産分与、親権者・監護者指定その他の監護に関する処分、扶養があ り、この場合、審判に不服な場合には高等裁判所に即時抗告をすることができます。

どんな場合に審判離婚は行われているのか

離婚には合意できたのに財産分与や養育費などをめぐり僅かな意見の違いで調停が成立しない場合、それまでの努力が水泡に帰します。これを生かすようにしたのが審判離婚です。審判離婚例を紹介します。

※離婚の合意はあるが申立人は病気入院中。将来的にも出頭は不可能という事例で親権者の指定、養育費を含めて審判

※調停の途中から申立人の夫が行方不明となり、代理人である弁護士が調停に出席して調停条項がまとめられ、行方不明前に本人の了解を弁護士が得ていた事例で離婚、親権者の指定、財産分与が審判により命じられた

スポンサーリンク