調停で慰謝料や財産分与も決められる

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合意できれば裁判所は調停調書にしてくれる

家庭裁判所の調停で、財産分与額も慰謝料額も決めてくれるのか、と質問されると答えに躊躇します。というのは、調停手続きは裁判所が上から一方的に 何かを決めてくれる手続きではないからです。しかし、家事調停の手続きでは、離婚に伴う慰謝料や財産分与も対象となるので、調停で双方の合意ができれば、 慰謝料や財産分与の有無、そして額を決めることができます。調停で合意ができて調停が成立した場合には、裁判所の手で調停調書が作成されます。そして調停 居所ができれば、調停の内容は確定し、調停調書の正本も(請求すれば)交付されます。この意味では(合意を前提として)慰謝料や財産分与を決めてくれると いうこともできましょう。この調停調書には判決と同様の効力がありますから、調停で決められた金銭の支払いが履行されなければ、強制執行をすることができ ます。また調停とはこのような手続きであり、裁判所が一方的に決めるものではありませんが、当事者の合意が必要とはいえ、裁判所側は調停が成立するよう努 力しますから、その意味でも決めてもらうことができるといえましょう。ただし調停手続きは、当事者の合意がなければ調停不成立となり、したがって何かが決 められることはありません。

調停不成立の場合は財産分与については審判で決めてもらえる

離婚による財産分与のみの請求は、家庭裁判所の審判による事項とされていますので、調停が不成立の場合は、事件は調停申立ての時に審判の申立てが あったものとみなされ、審判手続きに移行します。審判となれば家庭裁判所が調査をし、審判では裁判所の一方的な裁断で財産分与額を定めます。つまり、調停 の延長線上で決められるのです。慰謝料については少し異なります。慰謝料は損害賠償の一種であり、本来は地方裁判所が扱う財産問題の事件です。しかし離婚 問題など家事調停のできる事件については、家庭裁判所は審判事項でないことについても「調停に代わる審判」をして金銭の給付を命じることができます。最終 的な決定権を有するのではなく、当事者から2週間以内に異議の申立てがあれば、その審判は効力を失います。したがって、家庭裁判所の手で決められることに はなりません。今も述べたように、慰謝料は一種の損害賠償で財産上の争いですから最終的には訴訟によることになります。

夫は暴力を振るうので調停を弁護士に頼みたい

家事調停は本人が出頭するのが原則です。夫婦間に紛争がある場合は、本人から直接事情を聴かなければ真相が分からず、適切な調停ができないからで す。顔も見たくない、会えば暴力を振るう危険があるなどの事情があれば、家庭裁判所に申し出ると、別々の期日に調停を入れたり、別々の部屋で話し合うなど の配慮をしてくれます。もちろん、弁護士を代理人にできますが、弁護士でも夫婦間の個別的な事情はわかりませんので、一緒に出頭してくれと言われます。調 停が財産分与や慰謝料など金銭面に絞られているようなときは、代理人の出頭だけでもOKです。

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