調停や審判前に家庭裁判所の相談室を利用しよう

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家庭裁判所の相談室を大いに利用しよう

裁判所は言うまでもなく裁判をするための機関ですから、当事者双方の言い分を公平に聞き、公平な判決を下す任務を負っています。したがって、最初か ら中立であるべき国の機関であり、事前に当事者一方の味方をするというようなことはしません。しかし、たいていの家庭裁判所には相談室があり、一応の手続 相談を受けています。普通の民事事件(これは地方裁判所で扱います)と異なり、家庭裁判所の事件では、法律に慣れていない家庭婦人などが、差し迫った問題 を抱え途方に暮れることが多いと考えられるため、解決のための手続きの道を教える趣旨からできたものです。したがって、この相談は裁判所が一方の当事者に 味方して法律を教え、相手方の不利を図るというものではありません。相談に来た者とは一歩距離を置き、冷静に、中立的に手続きだけを教えるというのが家庭 裁判所での相談なのです。また、担当する相談員は法律家ではありませんから、その意味でも相談する内容については限界があります。

法律的紛争を含む内容の相談には向いていない

そもそも法律は、制定された条文があるとはいえ、その解釈や適用が最初から明確に定まっているものではありません。法律の解釈は学説が分かれてお り、判例(過去の裁判例)もいろいろで、同じ条文について正反対の解釈があることも少なくありません。また、判例の傾向が時代の変化に伴って変わることも しばしばです。つまり、裁判官といえども現実に訴訟や審判手続きが起き、審理の末、考えたり調べたりして法律の解釈を決めるのです。それなのに、当の裁判 所の窓口の相談員が、事前に法律はこうだなどと断定して教えることはできません。ただ、ありふれた事件であれば大体の傾向はわかりますから、そのことは教 えてくれるかもしれません。一方の当事者の相談を受け、その当事者の立場に立って事件の内容に立ち入り、事実関係を整理し、証拠を整え、法律の解釈を考え ることは弁護士がすることになります。