キッチンドリンカーの妻と別れるのは至難

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妻が家事や育児をしない場合には夫婦の協力扶助義務違反となる

外に出て働く女性が増えてきたせいか、あるいは女性の地位が向上したせいか、夫が働き妻が家事や育児を行うという分担システムは、最近は崩れはじめ てきているようです。しかし、現時点では、まだ妻が家事や育児を行い、夫は外へ出て働くという例が一般化しており、また、妻の家事労働についても、損害賠 償請求事件の計算では一般の女性労働者並みの評価を受けています。一般に、夫が稼いできたお金を家庭に入れない場合には夫婦の協力扶助義務違反となりま す。同様に、妻が従来分担してきた家事や育児を行わない場合には、協力扶助義務違反となります。間題は、妻が家事や育児を行えない原因が、重大な病気や障 害の場合です。このような場合にも、妻の協力扶助義務違反として、法定離婚原因の一つである「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するものでしょうか。

アルコール中毒を原因として精神病離婚の申立てはできない

家事や育児が行えない原因が、妻のキッチンドリンカーの場合を考えてみましょう。これは一種のアルコール中毒でしょう。一般に、アルコール中毒の場 合には、健康な状態と高度な精神病の中間にあると言われています。精神病原因とする離婚請求では、「強度の精神病」に該当することが必要だとされていま す。ですから、アルコール中毒だからといって、精神病離婚の申立てをすることはできません。そうすると、「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するかど うかということになります。妻のアルコール中毒のために、夫婦間の溝は深まり、家庭は崩壊し、夫婦間は回復の可能性のないほどに破綻しているという場合で なければ、これに該当するとは言えません。しかし、間題となる点は、アルコール中毒が治癒の見込みがないかどうかです。一定期間の入院などの措置により間 復が見込まれ回復できれば家事や育児も行える可能性がある場合には、法定離婚原因があっても、民法770条2項によって、離婚請求を棄却することができる と規定しているくらいですから、離婚請求は認められないと思われます。

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