姑との不仲が原因で離婚できる場合もある

婚姻を継続しがたい重大な事由に該当するかどうか

嫁と姑とのいさかい、あるいは嫁と夫の身内との不和は、昔から現在まで続く古くて新しい問題と言えます。家族との同居が当然であった戦前の民法では、配偶者の直系尊属(義父母)からの虐待や侮辱は、離婚原因になると明文の規定があったくらいです。現在では、親と同居生活をする例は少なくなったようですが、最近になって2世帯住宅も増えてきているせいか、このような問題が起こるのかもしれません。夫婦の一方と他方の親との対立が原因となって夫婦関係がおかしくなり、あげくの果ては離婚ということになるケースも珍しくはありません。このような離婚請求の場合には、「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するかどうかによって、判断されます。そのための判断の基準として、良好な夫婦関係の回復の可能性はあるのか、また別居期間がどれくらいあるかという点があげられます。

親族との対立解消のためにどんな努力をしたかどうかが判例の分岐点

本来、夫婦生活は夫婦がお互いに努力し、円満な家庭生活を継続すべきものですので、単に姑との折り合いが悪い、口ゲンカが絶えないといった程度の場合には、まず離婚が認められることはありません。親族不和を原因とする離婚請求では、夫あるいは妻が、他方の親族との不和を解消するために、その間に入って、どのような配慮をし、どのように積極的な努力をしたかということが、離婚の成否のポイントになります。嫁・姑の対立があるのを放任し、円満な関係にするための調整に努力せず、むしろ、親の側に立って妻を罵倒したり、暴力をふるったケースでは、未だ完全に夫婦関係が破綻しているとは言えないとして、裁判所は夫からの離婚請求を認めませんでした。親子共同しての追い出し離婚は認めないということなのでしょうか。逆に、義父がしばしば妻に対して不倫な行動にでるにもかかわらず、夫がこれを制止できなかったケース、あるいは先妻の子が妻に冷たく当たり散らすのに、親子の間がうまくいくように夫が努力しなかったケースでは、妻からの離婚請求を認めています。いずれにせよ、親族との対立や不和が原因で、円満な夫婦関係が回復できない程度に破綻しており、義父母の虐待や侮辱が、誰がみてもひどいと判断されるような状態でなければ、なかなか裁判では離婚は認められないでしょう。

冷遇された婿養子の夫が家出し、8年後に離婚請求したケース

妻の家に婿入りし妻の実家で生活していた夫に対し、妻の両親がこれを冷遇し・蔑視し、妻はこのこ とに無関心であったため、夫は妻との婚姻の継続をあきらめ家を出てしまいました。 家を出てから8 年後、夫は離婚請求の訴えを起こしたのですが、裁判所は夫婦の実質が失われていることを認め、離 婚を認容しました(山形地裁・昭和45年11月10日判決)。

スポンサーリンク