一審で負けても高裁・最高裁がある

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何が何でも離婚したければ一審で負けてもあきらめる必要はない

離婚裁判の第一審は家庭裁判所、第二審は高等裁判所、第三審が最終で最高裁判所になります。離婚裁判も憲法に基づき第三審まで受ける権利を保障されています。家庭裁判所から高等裁判所に控訴する場合には、原判決に事実認定の誤りがあったことや、判断が法律に違反していることなどを控訴理由とすることができ、控訴理由に制約はありません。高等裁判所の審理は家庭裁判所の事実審理を引き継ぐものであり、事実認定を覆すこともできます。原告が離婚を求めたのに対して被告が単に「請求棄却」を求めて争っていた場合の判断としては、離婚が認められて原告が勝つか、あるいは離婚請求が棄却されて被告の勝ちとなるかのいずれかになりますから、この場合、負けた方が高等裁判所に控訴できます。原告が離婚を求めたのに対して被告も逆に離婚を求める反訴を提起した場合には、判決としては、①原告の離婚請求を認めて離婚判決をし被告の離婚請求を棄却する場合、②原告の離婚請求を棄却して被告の離婚請求を認めて離婚判決をする場合、③原告・被告双方の離婚請求を認めて離婚判決をする場合があります。ややこしいように見えますが、相手の主張する離婚理由については争い、自分の主張する離婚理由によって判決をしてほしいという場合です。離婚は認められたけれども、親権者指定や金銭的給付など付帯的な問題についての判断について不服がある場合も、一部敗訴部分について控訴できます。離婚を認めるについて家庭裁判所と高等裁判所で判断がどう違うかは何とも言えないことですが、家庭裁判所で審理するのに約1年くらいかかり、その間互いに争っている上、控訴までして争っていること自体が婚姻破綻しているという認定の事情となる傾向はあると思います。

最高裁で争うには憲法違反や法令違反を上告理由とすること

最高裁判所への上告は原判決の判断が憲法に違反していること、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反があることだけを上告理由とすることができます。事実認定を理由に上告はできません。最高裁判所で原審の判決を覆した著名な事件が 昭和62年9月2日の有責配偶者からの離婚請求を認めた判決です。「有責配偶者である故に離婚請求を認めてもらえないのは法令違反である」が上告理由となります。これに対して「私は有責配偶者ではない」とか「相手は有責配偶者である」こと自体は事実判断の問題ですから、直ちに上告理由とすることはできません。別の上告理由を考えることになります。適法な上告理由がないという理由で上告棄却となる場合は、上告が受理されてから数カ月というところでしょうか。

離婚裁判で親権者の指定や財産分与の同時請求は

離婚を求める裁判に際しては、親権者の指定は必ずこれと同時に裁判しなければなりません(民法819条2項)。これを「附帯請求)と言っています。また、離婚裁判と同時に財産分与についても裁判して欲しい場合には、申立てをすれば財産分与に関する処分「付帯処分」についても裁判が義務づけられます。別居していた間の生活費(婚姻費用の分担請求)については、付帯申立ては認められませんが、財産分与の一事情として主張することはできます。また、毎月いくら支払うなど支払額が確定していた場合には、離婚訴訟と併合して請求することができます。

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